書籍『ブレイン・マネジメント』を紹介していきます。
この本の著者、吉濱ツトムさんは動画配信もしていて、科学的な面とスピリチュアルな面の両方ともめっちゃ詳しい、すごい人です。
とはいえこの本ではスピリチュアルな要素がないので、現実的な人々にも堂々と紹介できる内容になっています。
彼の他の著書もいずれは紹介しようと思っていますが、今回は『ブレイン・マネジメント』、個人的に特に記憶に残っている部分をまとめます。
放っておくと脳は怠ける
情報処理や問題解決をしたり、物事の優先順位を決めたりする上で大切なのが、脳の「前頭前野」という部位。おでこのあたりです。
本書の始めのほうではチェックリスト方式で自分の前頭前野が機能しているかを測れるものの、自分の結果は悲惨なものでした。
「僕は人として大丈夫なのか」と心配になったけれど、本書を読んで脳についての理解を深め、トレーニングしていけば、必ず機能は向上していくとのこと。
そもそも脳は、大昔からある生存本能により、ほっとくと怠けるようにできているらしいです。これは仕方ないこと。
だから吉濱さんは「自分の感覚に従おう」とか「あるがままでいよう」という言葉を使いません。
前頭前野の役割
前頭前野の機能には、記憶している情報を処理する「ワーキングメモリ」、注意力をコントロールする機能、自分を客観視する「メタ認知」などがあります。
どれも現代社会でうまく生きていくためには必須の能力だという感じがします。
それぞれの機能をそれぞれのトレーニングで向上させていくのがベストだけれど、相互作用しているのでどれかひとつをトレーニングすれば他にも影響するらしい。
ここではワーキングメモリを鍛える方法について詳しく述べていきます。
ワーキングメモリを鍛える「逆復唱」
例えば僕が口頭で「脳の前頭前野を鍛える」と言ったとして、それを復唱してみてください。
「のうの ぜんとうぜんやを きたえる」単純に復唱するのは簡単ですよね。
ではこの言葉を逆復唱してください。逆さ言葉にするわけですが、これは音声として聴いた言葉でやったほうがいいので、この記事を読んでる場合はここで目を閉じてください。
「るえたき おやんぜうとんぜ のうの」……しんどいと思いますが、これで記憶を処理する能力であるワーキングメモリを鍛えられます。
最初は「焼きそば」とか「なすび」とか、単語レベルでトレーニングしていきます。
テレビのニュースとかで「〇〇問題が~」とか言ってたら、「もんだい」という言葉を拾って頭の中で「いだんも」と逆復唱する感じです。
慣れてきたら前述の「脳の前頭前野を鍛える」という言葉や、もっと長い文章でも逆から言えるようになります。
注意制御機能を鍛える
注意をコントロールする「注意制御機能」を鍛えるには、「一点注視法」や「歩行瞑想」がおすすめです。
一点注視法は文字通り、ごく小さい一点(爪の先とか、スマホの電源ボタンの端っことか)を見つめること。
1回あたり3~5秒でいいので、1日10回くらいやるといいらしいです。
「歩行瞑想」は、本書で紹介しているのは簡略化したもので、普段の速度で歩いているときに、右足を出したら「右」、左足を出したら「左」と言うことです。
口に出しても頭の中でもいいので「右、左、右、左……」、歩くスピードが速くて追いつかないなら片足だけを意識して「右、右、右……」でもOK。
終わりに
こんな感じで、本書で紹介されている脳のトレーニング法は「これならやってみようかな」と思えるものが多く、根拠もしっかりしています。
全部できなくても大丈夫だから、と著者の吉濱さんも励ましてくれます(動画を観たらわかるように、恐そうだけど優しい人です)
この記事は内容のごく一部を説明しましたが、本書自体もそこまで分厚くなく全体的に読みやすいので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
吉濱ツトム著『ブレイン・マネジメント 脳を自由自在に操る科学的メソッド』
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