『こころを洗う技術』要約#08 関わり方の基準を設定する

瞑想

CLEAN こころを洗う技術

前回の記事からの続きです。

外の世界とどう関わるか、自分なりの「関わり方の基準」を確立させましょう。

そうすることで心の無駄遣いがなくなり、周囲に振り回されなくなります。

自分の輪郭を超えて関わるから悩む

著者の草薙氏に相談にきた50代男性は、企業のオーナーをやっていて俗に「意識が高い」といわれる人によくある悩みを抱えていました。

彼は新聞やネットから常に最新情報をチェックしていて、責任感からくる不安で夜も眠れないとのこと。

これは心の安定を失い、自分の輪郭を失っている状態です。

なので草薙氏は彼に、まず身体感覚を確認し、反応せずに理解するようアドバイスします。

そして自分の輪郭を絞り込むために「作業、時間、有益性」の3つを基準とするよう説明していきました。

作業、時間、有益性という基準

まず「作業」について、自分の体を使ってできないことは全部「妄想ゾーン」だとみなすようにします。

妄想に心を使っても意味がないので追いかけず、実際にできる作業を大事にすることです。

次の「時間」については、価値を持った実質的な時間はそんなに多くないのだと知りましょう。

「無駄な時間を過ごしてしまった」と後悔するのも時間の浪費になるので、深く考えずに今ここを意識することです。

もうひとつ大切な基準が「有益性」であり、どんな物事でも自分にとって価値があるのかないのかを、自分で判断するようにします。

具体的には「めざす目標につながる」「役に立つ」「モチベが上がる」「誰かの役に立つ」「価値あるものが残る」といったものが有益です。

逆に、これらの要素がないものは自分にとって無益なものです。

真実でないことには関わらない

加えてブッダは「真実である」ことを大切にし、そうでないものとは関わらないという態度を明確にしていました。

そして「他人事でしかない」「妄想レベルでしかない」といった物事には、最初から目を向けないほうがいいのです。

真実のもうひとつ大事な意味が「人の苦しみを許容しない」こと。

もし自分の周りに苦しんでいる人がいたら、悲の心に基づいてその人に「私には伝わってるよ」「わかってるよ」といった合図を送るようにします。

そうするだけでも救われる人は必ず出てくるからです。

スマホは諸刃な道具

スマホは非常に便利ではありますが、毒も薬も一気に流れ込んでくるので、明確な基準をもって向き合う必要があります。

というわけで、そのオーナー男性はまずスマホの時間を大幅に減らし、新聞や本を読んでも「この情報は有益か」を常に自問するようになりました。

しだいに心に余裕ができて、夜も安心して眠れるようになったといいます。

その最大の理由が「妄想が減った」ということです。

ガンジス河を流れる丸太のように

ブッダは、ガンジス河に流れる丸太がやがて海にたどり着くように、修行者も流れにまかせれば悟りにたどり着くと説明しました。

ただし、その丸太が岸に打ち上げられたり、途中で沈んだり、渦に吞み込まれたりしないことが条件です。

つまり、快楽に振り回されたり、進むのをあきらめたり、執着にとらわれて動けなくなったりしないように、といった意味も含まれているのです。

ブッダが伝えたかったのは「それでも自分のめざす方角さえ忘れなければ、必ずゴールにたどり着けるよ」ということ。

大事なのは途中で何かに引っかからない、つまり価値のない物事に反応せず、とらわれないことです。

引っかかってしまっても、そんな自分に気づけば再び流れ始めることができます。

こうした生き方によって、やがて「自分の人生、これでいい」という納得にたどり着けるはずです。

【記事09に続く】

草薙龍瞬著『こころを洗う技術 思考がクリアになれば人生は思いのまま

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