グーグルのマインドフルネス本『サーチ・インサイド・ユアセルフ』以下、SIY。
前回の記事からの続きです。
マインドフルな会話のカギとなる要素は、まず前回で説明した「傾聴」がひとつ。
それに「ルーピング」および「ディッピング」というテクニックが加わります。
ルーピングは、相手の言ったことを自分がどう理解したかを伝え、相互理解に役立てること。
ディッピングは、相手の言葉にどう感じているか、自分自身の心に耳を傾けることです。
日常でのルーピング
日常においての練習方法を紹介していきます。
会話する相手がいることが前提ですが、その人に「今から君の話をルーピングして、自分にはディッピングするね」などと言う必要はありません。
その代わりとして「今、あなたが言ったことはこういう理解で合ってるかな?」と言って相手に確認を求めましょう。
これは相手のことを正しく理解しようとする行為なので、相手に敬意を表していることにもなります。
同時にディッピングを
相手の話を聴いているときに、自分がどう感じているかを観察するのがディッピングです。
話の内容によっては、自分の中に強い情動(感情)が湧き起こるかもしれません。
もし気づくことができたら、それを認め、可能なら手放してあげましょう。
話している相手に注意を向けると同時に、注意の一部を自分自身にも向けておくのがコツです。
2〜3ヶ月で劇的に変わる
マインドフルネスは運動と似ていて、頭で理解するだけでは不十分で、実践することで恩恵を受けられます。
ただやってみることへのハードルは低いものの、何日も練習を続けるのを難しく感じる人が多いそうです。
チベットの瞑想の達人、ヨンゲイ・ミンゲール・リンポチェ氏も自分の若かった頃を以下のように語ります。
「瞑想という発想は好きだったけど、瞑想の実践はいやだった」
マインドフルネスの練習を続けていると、生活の質が劇的に変わってきます。
活力が増し、具合の悪い日が減り、自分のルックスもよくなるかもしれません。
それに気づけるまでの2〜3ヶ月は練習が苦しいかもしれませんが、効果を実感できるようになってからは、やらずにはいられなくなるはずです。
継続させるためのコツ
習慣化してしまえばしめたもので、それまで練習を継続していくためのコツを紹介します。
まずは仲間を見つけること。
ネット上でもいいので、お互いに励ましあったり、効果を報告しあったりできる相手は大切です。
次に「めいっぱいやらない」こと。
限界までがんばりすぎると、次にやるのが面倒になるので、負担にならない程度で毎日やったほうがいいのです。
5分やるのがつらいなら、2〜3分を1日数回やればいいと著者メン氏は言います。
毎日、ひと息だけでも
もうひとつのコツは「1日ひと息だけやる」こと。
メン氏によれば「毎日かならずひと息だけ、マインドフルな呼吸をするだけでよい」そうです。
なぜなら、一度でもマインドフルな呼吸をすると決めれば、簡単にノルマを果たせ、勢いがつくから。
また「瞑想しよう」と意図すること自体が瞑想だからです。
1日ひと息だけ、これから一生やっていきましょう。
【記事11に続く】
チャディー・メン・タン著『サーチ・インサイド・ユアセルフ』
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