『サーチ・インサイド・ユアセルフ』要約#09 瞑想の対象は呼吸だけではない

瞑想

グーグルのマインドフルネス本『サーチ・インサイド・ユアセルフ』以下、SIY。

前回の記事からの続きです。

今回から本書の3章にあたる部分を要約していきます。

マインドフルネスという技能は、さまよう注意を自発的に繰り返し引き戻す能力を与えてくれます。

座って瞑想をしているときに経験することも素晴らしいですが、それを日常生活に広げる方法をこれから学んでいきましょう。

マインドフルネスの恩恵を一般化する

穏やかさと明瞭さと幸せという、マインドフルネスの恩恵を、静かに座っているときに経験できることを学んできました。

次はこれらの心の状態を、フォーマルな瞑想のとき以外の状況にも一般化することが課題となります。

先に言ってしまうと、マインドフルネスの恩恵は簡単に一般化できます。

呼吸に注意を向ける練習をしていれば、ほかのどんなものにも注意を保てるようになるはずです。

マインドフルネスを広げる方向として「静から動へ」という領域と、「自己から他者へ」という領域があります。

そのための各エクササイズを紹介していきます。

高級料理の瞑想

日常生活のあらゆる瞬間にマインドフルネスを持ち込めるようになれば、人生の質が変わります。

マインドフルな状態にあるときは、ただ歩くという経験さえも奇跡となりうるのです。

歩ける、食事ができるなどといったごくあたりまえだと思っていたことが、マインドフルネスによって喜びのもとになります。

もともと快い経験は、よりいっそう快くなるはずです。

メン氏が子どものころに高級な中華料理を食べたとき、めったにない機会だったので格段の注意を傾けたそうです。

そのとき深いマインドフルな経験をしたわけですが、この経験は別に高価な料理じゃなくてもできると気づきました。

この「高級料理の瞑想」と呼ぶ方法を、メン氏はほとんどの食事で実践しているとのことです。

瞑想の対象を呼吸以外に向ける

座って瞑想する練習だけでも、マインドフルネスはいずれ日常生活に広がっていきます。

とはいえ、やはり意図的にマインドフルネスを活動に持ち込もうとしたほうが、一般化のプロセスは加速します。

これは、瞑想の対象が呼吸ではなく「そのとき取り組んでいる課題」になるだけです。

もっとフォーマルな練習がしたいのであれば、おすすめなのが「歩く瞑想」です。

歩く瞑想は活動の中に取り入れやすく、座ってやる瞑想に劣らない心の穏やかさを得られます。

歩いているときに一瞬一瞬の注意を体の動きと感覚に向け、注意がそれるたびにもとに戻してやればいいのです。

歩く瞑想の練習

歩く瞑想をざっくり説明すると以下のようになります。

まず、立っている状態で体の感覚や足にかかる圧力などを意識しましょう。

片足を上げ、その足を前に進め、自分の前に下ろし、体重をその足に移す。

これら一連の動作を注意しながら行いましょう。

動作ひとつひとつに対して、心の中で「上げている、上げている、動いている、動いている」というようにナレーションしてもかまいません。

方向転換するときは少し間をおいて、立っている状態から向きを変える動作それぞれに注意を払いましょう。

足を上げるときに息を吸い、下ろすときは息を吐く、というように動きと呼吸を合わせるのもよい方法です。

いつでも歩く瞑想ができる

歩く瞑想をするときは、必ずしもゆっくりと歩く必要はありません。

どんなスピードでもいいので、歩くたびに歩く瞑想ができるということになります。

たとえばオフィスで仕事をしている人なら、トイレへの行き帰りを、歩く瞑想にできます。

はたから見ればただ行ったり来たりしているだけなので、僕たちはいつでもこの歩く瞑想によって心の安らぎを得られるわけです。

他人に向けるマインドフルネス

マインドフルネスの対象を自分から他人に向ける練習をしましょう。

発想は単純で、評価や判断とは無縁の心を、すべて自分以外の人に向け、注意がそれたらまたもとに戻せばいいのです。

その練習方法として、友人や家族が話しているときは、注意をすべて話し手に向け、かつ口をはさまないようにします。

相手は大切な人で、相手が自分に話すための時間は貴重なものだと理解し、自分は黙って聞いていましょう。

相手への反応としては相槌を打つ程度にして、質問したり誘導したりするのは控えます。

自分という存在を相手に差し出す

SIYの講座では、2人組になって3分間ずつ、お互いに聞き手と話し手の役割を担当します。

すると初対面にも関わらず、6分間で友情が芽生えるという現象が起こるそうです。

相手の言葉に100%耳を傾けるというのはそれほど強力な魔法なのです。

ティク・ナット・ハンは以下のように表現します。

「他人に差し出せる最も貴重な贈り物は、私たちの存在だ。愛する者たちをマインドフルネスが抱きしめたとき、彼らは花のように咲き誇るだろう」

【記事10に続く】

チャディー・メン・タン著『サーチ・インサイド・ユアセルフ

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