『ニューアース』ちょっとずつ要約#20

瞑想

エックハルト・トール著『ニュー・アース』。

前回の記事では8章の終わりまでを要約しました。

今回は第9章「人生の目的は何をするかではなく何者であるか」について。

内なる目的と外部的な目的

人生の真の目的は、外の世界には見つかりません。

それは僕たちが何をするかではなく、何者であるか、つまり僕たちの意識状態に関わっています。

内なる目的(第一義的な目的)と外部的な目的(第二義的な目的)があることに気づきましょう。

本書では主に前者について語ってきましたが、この章以降では前者と後者を調和させていくことがテーマとなります。

前者すなわち内なる目的というのは「目覚めること」です。

後者すなわち外部的な目的は人によっても場合によっても違いますが、内なる目的との調和が土台となります。

目覚め

目覚めることで意識が変化し、思考と気づきが分離します。

この目覚めは過程、プロセスとして起こることがほとんどです。

思考の背後にある気づきこそが自分だとわかるようになります。

普遍的な知性と意識的につながるということです。

目覚めのプロセスを自分で起こすことはできません。

でも本書やこの記事を読んで、あなたのなかの何かが反応し、なるほどそうだと感じるのであれば、目覚めのプロセスは始まっています。

今まで習慣となっていたネガティブな思考に気づくことから目覚めが始まります。

無益な思考にふけるのではなく、「いまに在る」ことを意識的に選択できるようになります。

内なる目的に関する対話

僕たちがいまに在ることに気づかない限り、時間の次元でばかり意味を探し続けることになります。

外部的な目的はつねに相対的で、不安定で、一時的です。

それを内なる第一義的な目的と結びつければ、行動にもっと深い意味が生まれます。

大切なのはもとにある意識の状態です。

基礎がしっかりしていれば、あなたの目的や意図は宇宙の進化の動きとひとつになります。

時間の否定を通すことで、核心である思考と気づきの分離が起こります。

いましていることを人生の主要な目的とみなせば、時間が否定され、大きな力となります。

すると何をするにしてもうまくできるでしょう。

どんな単純な行為にも質が伴うということです。

小さなことを大切にする

不安やストレスを感じるのは、外部的な目的に支配されて内なる目的を見失っているからです。

大きなことは、小さなことを大切にするなかから生まれます。

いまこの瞬間はつねにシンプルですが、そこに偉大な力が秘められています。

その力のほうから僕たちにアクセスしてきます。

いまという瞬間に背を向けることで、不安やストレスやネガティブな精神が生じます。

なのでいまという瞬間に完全に調和しましょう。

内なる目的に忠実に、全身全霊でいまに在りましょう。

大いなる存在が行為に流れ込む

人と会うときにも、相手に関心のすべてを注ぎ、そこにいるのです。

「大いなる存在」の次元が認識されれば、行為はもっと容易に、もっと力強くなります。

あなたは成功者になることはできなくて、できるのはいま成功することだけです。

いまこの瞬間の成功とは、どんなシンプルな行為にも質の裏打ちがあることです。

自分の人生という旅全体が、いまこの瞬間の一歩から成り立っていると気づきましょう。

「大いなる存在」が行為に流れ込めば、それが成功となります。

気づきによって根源的な変化を遂げる

欲望や恐怖といった精神的な構造物に自分を同一化すると、自分を見失うことになります。

行為や出来事への反応に同一化することでも自分を見失います。

これらは「大いなる存在」を忘れている状態で、何を達成してもすぐ不幸になります。

気づきという内なる目的にどれほど真剣かどうかで人生は大きく変わってきます。

仕事、生活環境、人間関係などすべてが根源的な変化を遂げます。

ふいに「そうか、そうなんだ」と気づくかもしれません。

表面的にはネガティブに見える変化もあるかもしれませんが、新しい何かが生まれるための空間ができたのかもしれません。

不確実性を受け入れる

外部的な安定に対する心理的な要求も減少していきます。

不確定性を受け入れることで、生命力や洞察力、創造力が充実します。

(トール氏の場合、学者としたのキャリアを中断し、衝動のままに北米の西海岸に移住し、スピリチュアルな指導者としての人生が始まった)

誰しもが外部環境の変化を経験するわけではなく「どのようにするか」だけが変化する場合もあります。

あるがままのいまとひとつになることは、もう変化を起こさないとか、活動を起こせないこととは違います。

活動を起こす動機が深いレベルにあるということです。

全体と調和する

存在するすべては、個別の存在ではなく、からみあったプロセスという網の目の一部です。

ただ感じることで、一見ばらばらな感覚の底にある深いつながりを感じ取ることができます。

全体と調和することで、どこからか助けが現れ、まさかの出会いや偶然があり、シンクロニシティが起こります。

僕たちの心では理解できない深いつながりですが、それに意識的に参加することはできます。

宇宙の知性と意識的に調和することで、この世界に新しい次元をもたらします。

次の記事に続く



audiobook.jpで『ニューアース』の朗読版を聴けます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました