10分間瞑想とマインドフルネスの本『頭をからっぽにするレッスン』
前回の記事からの続きです。
何かをしながら食事をとる人がほとんどだと思います。
でも「食べる」という単純な行為にマインドフルネスを取り入れることで、すばらしいメリットを得られます。
瞑想の効果を高めるために、日々の素朴な楽しみを諦める必要などはありません。
ただし日々の娯楽を、マインドフルネスを高める行動とみなすことができます。
ついでにダイエットもできるかも
大好物だと思っている食べ物をよく観察し、それを食べるとどんな気分になるかなどに注意を向けると、それほど食べたいと思わなくなったりします。
よってマインドフルネスは食べ物との関係を根本から変える可能性を秘めているので、魔法のダイエット法になるかもしれません。
ただし、マインドフルネスを単なるダイエットの手段とみなすのはもったいないことです。
あくまで目的は幸福(=からっぽの状態)になることで、ついでに体重も減ったらラッキーぐらいに考えましょう。
食に対する執着に気づく
著者プディコム氏も、自分が食にどれだけ感情的に執着していたかを、僧院に入ってから思い知らされたそうです。
その僧院では食事が、心の動きを見る修行となっていて、1時間かけてゆっくり食べるのが習わしになっていました。
あるときアイスクリームが配られたのですが、それを食べる前に、いつも通りゆっくりとカレーを食べなければならない状況でした。
暑いさなかだったので、プディコム氏はアイスクリームがただ溶けていくのを見る羽目となったそうです。
怒りの感情にとらわれてしまった彼ですが、ただ望むものを手に入れたいという自身の執着にも気づいたのでした。
味覚が関係してくると、僕たちはとかく思考や感情に振り回され、自分の選択や行動をコントロールできなくなりがちです。
(食べ物の恨みは恐ろしいとはよく言うもので)
昔からの伝統で、食卓についてもすぐに食べ始めないで、少し時間をとって祈るなどの作法があります。
そうすることでこれから食べるものを認識し、食事ができることに感謝の念をもてるわけです。
食べるマインドフルネス
以下に、マインドフルネスを取り入れた食べ方をまとめておきます。
これから食べようとしているものをよく見て、産地はどこか、誰がどのように作ったか(育てたか)などを考えてください。
焦ってすぐに食べようとするクセがついているかもしれませんが、それに気づき、目の前にある食べ物に感謝します。
食事のときに限らず、感謝の気持ちはマインドルフルネスの土台となります。
食べるときのあらゆる動作をゆっくり行ないます。
箸やスプーンを持つ感触、それを使って食べ物を口まで持っていく動作、口の中に入れたときの舌触り、味、噛む感覚など、判断せずに観察しましょう。
次第に退屈になってきて「さっさと食べてしまいたい」という思いに気づいたら、その気持ちも観察します。
最後に食べ終わったときの感じと、食べる前の空腹だった感じとを比べてみてください。
歩くマインドフルネス
歩きながら考えにふけってしまい、目的地までどうやって来たのかも覚えていない、ということがあるかもしれません。
そういう時に良いアイデアが浮かぶという人もいれば、ただただネガティブ思考に沈んでいる人もいます。
歩くという行為は体が慣れ親しんでいるため、集中しなくてもできます。
なので歩きながら目にしたものなどをきっかけに心がさまよいだしますが、そのとき自分は「今ここ」を離れ、人生をじかに体験しないのです。
よって歩きながら「そこに在る」ためのトレーニングは大切です。
「歩行瞑想」というフォーマルな瞑想の形でゆっくり歩く方法と、普段の生活で歩くときにマインドフルネスを取り入れる方法の2つがあります。
必ずしも両方をやる必要はなく、これまで普通に歩いていた場面で心の向け方を変えるだけでもかまいません。
【記事13に続く】
アンディ・プディコム著『頭をからっぽにするレッスン』
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