10分間瞑想とマインドフルネスの本『頭をからっぽにするレッスン』
前回の記事からの続きです。
瞑想は、人生を一変させる可能性を秘めたすばらしいスキル。
ただしどのように使うかはその人しだいです。
多くの人にとって、瞑想は万能のストレス対処法となります。
実際のところ、瞑想から生まれる状態は、生活の中でもっとも必要とされている部分におのずと影響を与えるものです。
瞑想の価値を知るにはやってみるしかない
瞑想のことを医療の用語ではマインドフルネスと呼び、さまざまなストレス性症状の治療に用いられています。
アメリカのオリンピックチームや海兵隊では、集中力を高めるために瞑想を取り入れているとのこと。
心が関係する行動であれば、どんなことでも瞑想によるメリットがあるのです。
瞑想は、スキルであると同時に体験でもあるので、その価値を知るには実際にやってみなければいけません。
今この瞬間を自分で経験し、瞑想という体験を自分で定義する必要があります。
本に書かれていることについて考えているだけでは、頭の中をからっぽにはできないのです。
人生の体験が根本から変わるかも
さらに、一度や二度やってみるだけでなく、ジムに通うように定期的にやらなければ効果はわかりません。
その変化はかすかで漠然とはしていても、大きな意味のあるものです。
意識や理解の深まりによって、自分や他人に対する感じ方がいやでも変わるはず。
この本は、あなたの人生の体験を、根本から変える可能性をもっています。
瞑想によって自分の考え方や感じ方、およびその理由を客観的に理解できるようになります。
すると、状況を変化させる見込みが高まるだけでなく、今の自分を受け入れる方法も示されるはずです。
マインドフルネスを忘れていたために
ささいなことにとらわれると、人はもっぱらミスをおかしがちになります。
著者のプディコム氏は過去に、ロシアの税関を通るときに、下着の中に500ドル札を隠しておいたそうです。
こまごまとした心配をしていたせいで、隠していたお金のことを忘れたままトイレに入り、下着を下げてお金を便器に落としたとのこと。
もっと注意をしていればあんなことは起こらなかったのに……とプディコム氏はいいます。
自分がマインドフルネスを忘れていると思ったときにはいつでも、彼は当時を回想するそうです。
「今ここ」の感覚を日常に応用
マインドフルネスとは「そこにいる」ということ。
他のことに気をとられたり、うわの空で考えたりせず「今この瞬間」をそのまま体験することです。
それは一時的な心の状態ではありません。
普段の混沌とした状態から解放され、自然な状態で心を落ち着けることです。
このマインドフルネスを実践するために、最適なコンディションをつくりだすテクニックが瞑想なのです。
わずかな時間でも毎日座って瞑想すれば「今、ここ」にいる感覚を意識できるようになり、日常のほかの部分にも応用しやすくなります。
10分間の瞑想は、マインドフルネスを学ぶための理想的な環境をもたらします。
10分間瞑想とマインドフルネスの関係
マインドフルネスはどんな状況でも、どんな目的にも利用することができます。
そして、そのスキルを学ぶには、10分間瞑想がもっとも適しています。
以上のように「10分間瞑想」と「マインドフルネス」の関係を説明できるものの、ふたつが同じ意味で使われる場合もあります。
けれど、現代社会で生活する人々にとっては、これらの区別が重要になってきます。
どこで何をしていても、マインドフルネスが両立できるとわかれば、かなり嬉しく感じるはずです。
瞑想は「量より質」なので、10分やるだけでもたくさんのメリットがあります。
毎日の短時間の瞑想がもたらす、健康上の効用を裏付ける科学的証拠もたくさんあります。
「からっぽ」は心の底にある充足感
10分間瞑想によってマインドフルネスのスキルを学び、その結果得られるものが「からっぽ」です。
「からっぽ」のかわりに「幸福」という言葉を使いたいかもしれませんが、それだと感情と混同されがちです。
「からっぽ」は、一時的な感情がどうあれ、つねに心の底にある落ち着きや充実感、揺るぎない満足感をあらわします。
どんな思考が渦まいても、どんな感情を抱えていても「本質的には平気でいられる」ということです。
これには人生を一変させるほどの効果があります。
【記事03に続く】
アンディ・プディコム著『頭をからっぽにするレッスン』
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