ペインボディと瞑想

瞑想

人間には古い記憶を長々とひきずる傾向があるから、ほとんどの人はエネルギーの場に古い感情的な苦痛の集積を抱えている。私はこれを「ペインボディ」と呼んでいる。

出典:エックハルト・トール『ニュー・アース』サンマーク出版

引用文から始めてみました。

要するにペインボディとは「苦痛とセットになった記憶の集合体」だと僕は考えています。

このペインボディへの対処法は「いまに在る」ことだとトール氏は言います。

いまに在り、自分のなかのペインボディを認識すれば、ペインボディの成長を止められるということでしょう。

今回はペインボディについて僕が体験したことや、瞑想によってペインボディと向き合うことについてまとめていきます。

休止状態と活動状態

ペインボディは普段は休止状態にあるけど、些細なことが引き金となって活性化します。

テレビのニュースに触れて、なぜかものすごく不安になったりするとか。

または僕の場合だと、朝に目が覚めたとき、ネガティブな感情にさいなまれて布団から出られなかったりします。

しばらく経って落ち着いたときに、あの時はペインボディに自分の思考を乗っ取られていたな、と気づくことがあります。

活性化した瞬間に気づけるのがベストなのですが、簡単ではありません。

自分自身よりも他人のペインボディのほうが気づきやすいかもしれません。

身近な人と会話をしていて、例えばお金の話になった途端に、その人が豹変したように機嫌が悪くなるなど、何かしら心当たりがあると思います。

しかしながらペインボディは伝染するのか、相手が怒り出したら反射的に自分も怒りや恐怖などの、ネガティブな反応で応じてしまいがちです。

平常心をうまく保ち、ただ観察できるようにしたいものです。

ペインボディに栄養を与えない

ネガティブな感情が、ペインボディにとっての栄養です。

ペインボディが活動することによりネガティブな感情が生まれ、その感情を栄養にしてペインボディがさらに成長するという悪循環が生まれます。

一定の栄養を補給して満足したペインボディは休止状態に入り、また何かのきっかけで活性化するということです。

どうしようもないようにも思えますが、人はほとんど無意識に、ネガティブなものを自発的に探すこともあります。

残酷なニュースや、暴力的な映画やドラマに興味を惹かれたりするのは、飢えたペインボディに操られているからかもしれません。

なるべくネガティブな情報を遠ざけようと意識することが大切です。

感情と自分自身を切り離す

ペインボディが活性化し、やり場のない不安に襲われたとします。

こういう場合「私は不安だ」から「私のなかに不安という感情がある」と言いかえる作業をしてみるのです。

これを僕は「感情と自分自身を切り離す作業」と呼んでいて、ただ言いかえるだけで効果を実感できます。

うまく切り離しができれば、栄養の供給がストップし、ペインボディは徐々にエネルギーを失っていきます。

完全にペインボディが消滅することはないにしても、力が弱まって活性化しにくくなったり、活性化しても以前より軽くなったりしていくでしょう。

そして感情をうまく切り離せている状態が、いわゆるトール氏が言う「いまに在る」状態なのだと僕は感じています。

ペインボディが弱まれば「ただの記憶」に

ペインボディは「苦痛とセットになった記憶の集合体」だと最初に言いました。

「じゃあペインボディが消えたら記憶も消えちゃうの?」

と心配になるかもしれませんが、あくまでもセットとなっている苦痛がなくなるだけです。

苦痛を伴わないただの記憶は残り、生きていくうえで役に立ってくれます。

瞑想中はペインボディに気づきやすい

あえて時間と場所を確保してまで瞑想するのは、ペインボディに気づくためのいい機会にもなるからです。

普通に生活していると、どうしても無意識になってしまいがちです。

自分でも気づかないうちにペインボディに支配されて、自分自身や周りの人を傷つけ、ペインボディは栄養を補給し再び身をひそめる。

「なんか同じような苦しい体験を繰り返している気がする」という事態にもなり得ます。

瞑想し、自分の心に意識を向けると、ペインボディの活性化、もしくは現在進行形で活動中であることに気づけます。

抵抗せずに見守ろう

瞑想中、運よくペインボディに気づけたら、抵抗したり無理に追い出そうとしたりしてはいけません。

「嫌だ」というネガティブな思いがまた栄養になってしまいます。

ペインボディを冷静に見守り「あ、いるんだね。いていいよ」といった態度で接するのが良いです。

自然な姿勢と呼吸を保ちながらペインボディを見守りましょう。

全然消えてくれないかもしれませんが、気づけたこと自体が重要なので大丈夫です。

「僕はいま、ここにいる」と意識しながら、自分の心と向き合うのです。

向き合うというよりも、そばにいてあげるという感じですね。

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