『サーチ・インサイド・ユアセルフ』要約#13 ボディ・スキャン

瞑想

グーグルのマインドフルネス本『サーチ・インサイド・ユアセルフ』以下、SIY。

前回の記事からの続きです。

自信をつけるためには、深い自己認識および自分に対する正直さが必要である、と前回の最後のほうで触れました。

これをエンジニア風に言うと、自分というシステムを理解し、それがどんなふうに故障するかを知っていれば、どうすれば故障しないかもわかるということ。

システムが完全でなくても、調整方法や故障の後の復旧方法を知っていれば、自信を保っていられるのです。

あるがままの自分がしっくりくる

著者のメン氏は、ベルリンで開催された世界平和祭にて自分が話すとき、これまでのマインドフルネスのトレーニングが効果を発揮したといいます。

ディーパック・チョプラ氏やノーベル平和賞受賞者など、そうそうたるメンバーの中でメン氏は自信を保ったわけです。

彼は自身の長所および限界を思い出しました。

たとえば企業という環境で仏教の教えを実践する専門家ではあるけれど、国家規模になるとよくわからない。

また、自身の英語の発音になまりがあるけれど、ユーモアで場の雰囲気を良くするのは得意だ、などなど。

こうして自己を再認識していき、自分を客観的に見ていったのです。

すると、何が自分にとって重要で、何を手放していいかがわかるようになります。

そして、あるがままの自分でいることがしっくりくるようになります。

情動の自覚から自信へ

正確な自己査定は、情動を自覚することによって得られます。

自分に起こる情動を、明瞭な信号として受け取れるようにします。

すると、第三者のように自分の情動を眺めるような距離感が生まれ、ひとつひとつの経験をあるがままに知覚できるようになるのです。

こうして情動の自覚、正確な自己査定、自信というように直線的につながっていきます。

自己認識とマインドフルネスは似ている

ダニエル・ゴールマン氏は自己認識を「情動の嵐のまっただなかでも自己省察を維持できる、偏りのないモード」と説明します。

ジョン・カバットジン氏はマインドフルネスを「意図的に今の瞬間、評価や判断とは無縁に注意を払うこと」と説明しています。

このように、自己認識とマインドフルネスは似ていることがわかると思います。

それに気づいたメン氏は、自己認識もトレーニング可能とみてSIYの講座を開きました。

SIYはグーグルというブランドがついていますが、ノーブランドのマインドフルネス瞑想でも自己認識能力は育ちます。

でもせっかくなので、フォーマルな練習法を紹介していきます。そのひとつが「ボディ・スキャン」です。

SIYでのボディ・スキャン

ボディ・スキャンとは、一瞬一瞬の注意を体のさまざまな部位に向けることです。

頭のてっぺんから順に、足の先まで注意を向けていきます(逆からでも構いません)。

それぞれの部位の感覚を得ることよりも、注意を向ける、意識すること自体が大切です。

具体的にはまず頭や耳、後頭部のあたりに1分間、注意を向けてください。

それから目や鼻や唇、口の中などに注意を移し、また1分間続けます。

この後は首や肩、というように注意の対象を少しずつ下に移していきましょう。

体の中で何か情動が見つかったら、ただその存在を認め、注目を続けてください。

今度はあえて自分のポジティブな経験を思い出し、そのときに起こる情動に注目します。

そして体のどこでそれを感じるかや、呼吸に変化はあるかなどを観察しましょう。

最後に2分間、注意を体もしくは呼吸に向けて心を安定させます。

ボディ・スキャンの効能

ボディスキャンを練習し、自分の体に注意を向けるのが上達すると、神経が変化していきます。

SIYの参加者のひとりは、これまで自分の体の中に情動を押し込めていたことに気づいたそうです。

その人は練習するにつれて体の調子が良くなっていったとのこと。

また、ボディスキャンは体をリラックスさせるので、眠りを助けます。

夜、ベッドで横になったときはぜひとも頭からつま先の各部位を意識してみてください。

記事14に続く

チャディー・メン・タン著『サーチ・インサイド・ユアセルフ

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