『サーチ・インサイド・ユアセルフ』要約#04 マインドフルネスとは

瞑想

グーグルのマインドフルネス本『サーチ・インサイド・ユアセルフ』以下、SIY。

前回の記事からの続きです。

これまで説明してきたことを「最適化」という一言で表現することができます。

たとえあなたがすでに「できる人間」だとしても、自分自身を最適化すればさらに進歩できます。

そこで本書で紹介するトレーニングが役立つはずです。

情動面を鍛えれば行動面の問題も解消する

SIYの講座では、人々の行動そのものよりも情動面での能力を高めることに焦点を絞ります。

あらゆる技能と同じく、情動面の技能もトレーニングで身につけられるという発想が出発点でした。

その技能を伸ばすことで、行動面の問題は自動的に解消するとメン氏は言います。

情動の扱いが上手になれば、自他ともに最善の、分別ある行動がとれるのです。

脳の構造と機能は変えられる

「神経可塑性」によって、脳の構造と機能は、トレーニングによって意図的に変えることができます。

その証拠に、ロンドンのタクシー運転手は膨大な場所を記憶する必要があるため、平均的な人よりも脳の海馬が大きいらしい。

また、脳を鍛えることで深刻な情動障害が改善されたという研究結果もあります。

神経可塑性の応用として、体の痛みを視覚的なイメージと連動させることで、意図的に痛みをやわらげた例も。

つまり、大人になってからでも脳は訓練できるわけです。

刺激と反応のあいだに自由がある

EQのトレーニングとして、まずは注意力を鍛えます。

「注意力って関係あるの?」と思うかもしれませんが、穏やかさと明瞭さをもたらす安定した注意は、EQを築く土台となるものです。

情動に振り回されたり、情動と一体化したりせずに、その情動を客観的に眺める必要があります。

そのためには、評価や判断とは無縁の、安定した注意力が求められるのです。

そこから自己認識や自己統制へとつながっていきます。

すると、刺激と反応のあいだに「間」を置くことができるようになります。

マインドフルネスとは

注意力を鍛える方法として「マインドフルネス瞑想」があります。

ジョン・カバットジン氏はマインドフルネスを以下のように定義します。

「特別な形、つまり意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁の形で注意を払うこと」

ちなみにベトナムの禅師、ティク・ナット・ハン氏は、

「自分の意識を今の現実に敏感に保つこと」と、詩的に定義しています。

メン氏はこれを気に入っているそうですが、エンジニアとしてはカバットジン氏の定義のほうが説明しやすいとのこと。

マインドフルネスは誰もがときどき経験する心の特質ですが、練習によって強化することで、EQを高めるための土台になります。

情動をうまく統制する

人は感情的になると、脳の扁桃体と呼ばれる領域が活性化します。

一万時間以上の瞑想修行をした瞑想の達人たちは、女性の悲鳴などネガティブな音声を聞かされても、扁桃体があまり活性化しないそうです。

扁桃体のような原始的な脳の部位を、訓練により統制できるという事実は注目に値するものです。

また、自己統制のテクニックとして「情動ラベリング」というものがあります。

たとえば「私は怒りを感じる」というように、自分が経験している情動にラベルをつければ、なぜか情動を管理しやすくなるのです。

記事05に続く

チャディー・メン・タン著『サーチ・インサイド・ユアセルフ

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