反応しない練習の実践編『これも修行のうち。』
前回の記事からの続きです。
今回はまず「快」の感情を増やすためのプチ修行集をまとめます。
そして喜の心、すなわち他人の喜びを自分の喜びとしてしまう練習を紹介していきます。
快を増やす練習
お酒でもジュースでもいいので、好きな飲み物をじっくりと味わうのが「ドリンク禅」。
冬の寒いとき、コタツに入ったりあたたかい布団に潜りこんだりして幸せをかみしめる「ぬくぬく禅」。
夏の暑い最中、涼しい部屋や建物に入って快適さを感じ切る「冷え冷え禅」。
これらを〇〇禅と呼ぶのは、「禅」に「意識を集中する・感覚を研ぎ澄ます」という意味があるからです。
雑念を消してクリーンな心で感覚に集中すること自体が、最高の快なのです。
おまえの喜びはおれの喜び
相手の喜びに共感する練習を積むことで、人生の喜びは増大します。
人から元気出せと言われてもなかなか出ないように、自分自身を喜ばせるのは難しいもの。
仏教では「快」はおまけであり、なかったらなかったで別にいいという発想をします。
そして、その快は他人の喜びや楽しみを感じれば自分のものになると考えるのです。
この「喜の心」を育てる練習をしていきましょう。
道行く人に関心を向けてみる
公園やショッピングモールなどに行くと、自分以外の人がいますよね。
その人たちが楽しそうにしていようが、これまでは無関心だったと思いますが、これからは「あ、喜んでるんだな」と感じてみてください。
ただ「理解する」だけでも十分ですが、できればその人たちの楽しむ姿に素直に「よかったね」と思うことです。
つらい最中の人は、他人の喜ぶ姿を見ても逆に落ち込んだり腹が立ったりするかもしれません。
そう気づけたなら、自分の湧いた感情を認め、ニュートラルの状態に戻す練習をすればいいのです。
動物の可愛らしさに浸る
動物が好きな人は、写真や動画を見るだけでも癒されると思います。
というのも動物たちは妄想も変な欲もないシンプルな世界に生きているので、彼らに共感して幸せな気分になるわけです。
好きな動物を見て、可能なら触って、自分の喜の心を育てましょう。
(ここで僕自身も猫の動画を眺める修行により、しばし書く作業を中断)
いやな奴にも「よかったね」
上級テクニックとして「迷惑な相手にも喜の心を向ける」というものがあります。
たとえば楽しそうに騒いでる集団に対し、怒りで反応したとしても結局こちらが消耗してしまいます。
そんなときでもあえて、彼らを理解・共感しようと努力することで、自分の心を守れるのです。
共感するという生き方
退屈で面白いことがなくても、その状態をネガティブにとらえる必要はありません。
発想を少し変えて、ありのままの世界を見つめてみると、たくさんの喜びに気づけるはず。
自分で何をしなくても、人や動物、植物を眺め、その生命の喜びに同調することができるのです。
【記事08に続く】
草薙龍瞬著『これも修行のうち。実践!あらゆる悩みに反応しない生活』
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