『サーチ・インサイド・ユアセルフ』要約#12 ポケットの中の宝石

瞑想

グーグルのマインドフルネス本『サーチ・インサイド・ユアセルフ』以下、SIY。

前回の記事からの続きです。

赤ちゃんが少しずつ歩けるようになっていく様子に、瞑想の練習をたとえることができます。

著者メン氏の娘さんは、生後9ヶ月のころに最初の1歩を踏み出したそうです。

その後2ヶ月間は1歩か2歩、歩いては尻もちをつくというのを繰り返していたのですが、そのあいだも潜在的な部分で成長していたということ。

3ヶ月目のある日、いきなり記録を8歩に伸ばし、その次の日は30歩という急成長をしたとのこと。

娘さんのこれまでの練習が、一気に結果として現れたわけです。

瞑想が上達していくプロセスもこのようなものなので、あきらめずに続けていれば、ある日を境に一気に上達するはずです。

ポケットの中の宝石

むかしのインドにて、宝石泥棒が番兵に追われていました。

彼は路地で寝ている物乞いを見つけ、盗んだ宝石をその物乞いのポケットに隠して逃げました。

後から取りに戻るつもりでしたが、途中で番兵に追いつかれ、泥棒は殺されてしまいました。

物乞いは暮らしに困らないくらいの富を手に入れたはずが、ポケットの中をあらためなかったため、一生物乞いのまま暮らしたということ。

自分の内側にある宝物を見つけるために「明瞭さ」を磨いていきましょう。

自己認識によって内なる知恵にアクセス

自分の情動・感情を高い解像度と鮮明さで知覚する能力は、練習によって高めることができます。

情動が現れたり消えたりする瞬間や、微妙な変化がわかるようになるのです。

ダニエル・ゴールマン氏は自己認識を「自分の内面の状態、好み、資質、直感を知ること」と定義しています。

自己認識によって脳が活性化し、自分の内なる知恵にアクセスできるようになります。

自分の情動を目にできた瞬間、あなたはもうその情動の虜にはなっていません。

価値観を知るために情動を自覚する

「情動の自覚」「正確な自己査定」「自信」という3つの情動的能力について説明していきます。

正確な自己査定は、自分の長所と限界を知ることであり、これは情動の自覚の上に成り立ちます。

自分のすることを心の奥底にある価値観と整合させることで、自分をうまく動機づけられます。

その価値観にアクセスするために、情動の自覚が大切になってくるのです。

情動の自覚ができれば、仕事もこれまで以上に効果的に取り組め、収入も上がるはずです。

自分のエゴにユーモアを

正確な自己査定は「自己客観性」とも呼ばれます。

自分の能力や限界を正確に知っているほうが、過大評価するよりもうまくいくのです。

自信というのはうぬぼれとは違い、ほんとうに自信があれば、自分のエゴをうまく扱うことができます。

自己非難をせずに自分の限界に気づくには、深い自信が必要になります。

なので、自分のエゴやうぬぼれの感覚に対してユーモアのセンスを持つようにしましょう。

メン氏は必要に応じて、自分のエゴを小さくしたり大きくしたりしているとのこと。

人と接するときはエゴを縮ませ利他的に振る舞うと同時に、話すときは気後れしないようにエゴを膨らませ、その不合理をこっそり笑っているそうです。

自信は自己認識から生まれる

あたりまえかもしれませんが、自信をもつことは仕事の役にも立ちます。

自信の一形態である「自己効力感」が高いほど、職務遂行能力が上がるそうです。

このような自信は、深い自己認識と、自分に対する正直さから生まれてくるのです。

記事13に続く

チャディー・メン・タン著『サーチ・インサイド・ユアセルフ

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