古賀史健著『文章講義』要約#05 文章の「圧迫感」を減らす工夫

読書

20歳の自分に受けさせたい文章講義

前回の記事からの続きです。

読みやすく、リズミカルな文章をつくるためには「句読点の打ち方」「改行のタイミング」「漢字とひらがなのバランス」を考えることが大切です。

以下、それぞれについて紹介していきます。

なおそれぞれに共通しているキーワードは「圧迫感の解消」です。

句読点は「1行にひとつ」

著者の古賀氏は、自身を「句読点の多い書き手」といっています。

というのも「1行の間に必ず句読点をひとつは入れる」というルールを、自身で設定しているとのこと。

これは1行40文字前後の、縦書きの書籍を基準にしてはいるものの、ブログ記事などにおいても大いに参考になります。

もし句読点が入らない場合は、カッコを入れるようにします。

そうすることで、視覚的にも聴覚的にも文章がリズミカルになるのです。

(ちなみにこの記事はスマホで読む人が多いと想定しているので、1行だいたい20文字前後として、なるべく1行に1個は句読点が入るようにしています)

読点の打ち方

視覚的リズムの観点からは、句読点やカッコは「物理的なスペース」としての役割を担います。

黒が並ぶオセロの中に、白が一枚まぎれ込むような感覚になるので、見た目の圧迫感がなくなります。

もっとも、読点(、)の本来の役割は、文意を明確にすることです。

  • 彼が、疲れた表情で電車を待つ彼女に声をかけた
  • 彼が疲れた表情で、電車を待つ彼女に声をかけた

この二つの例文において、疲れているのはそれぞれ誰かわかるでしょうか?

前者の例文では「彼女」、後者の例文では「彼」となります。

自分が意図したとおりに読点を打ったかどうか確かめるには、音読してみるのがいちばんです。

改行の効果とタイミング

改行のタイミングについて、書籍や論文などに向けた目安として、最大5行あたりをメドに改行することを著者は勧めています。

句読点と同じように、改行にも文章の圧迫感を解消する役割があるからです。

「文字がびっしり詰まっていたほうが賢そうに見える」などと思ってはいけません。

なぜなら書き手は「文章が相手にどう読まれるか」を考えなくてはいけないからです。

そして、伝えたいメッセージを強調するための簡単な方法とは……

やはり改行なのです。

当ブログは一文で改行している

ちなみにこのブログ記事では、原則として一文が終わるたびに改行し、一行ぶんのスペースを空けています。

(ネット上の記事は、だいたいみんな高速でスクロールして読むからその方がいいという、別のWEBライティング本で聞きかじったテクニックです)

それに、書籍のようにページ数を気にする必要がないので「空間」をふんだんに入れても大丈夫なのです。

また書籍でいう改行の変わりに「見出し」をつけて、息継ぎ休憩ポイントを設定しています。

漢字とひらがなのバランス

漢字を多用しすぎると、これも見た目の圧迫につながり、文章の第一印象が悪くなります。

とはいえ、ひらがなにはひらがなの圧迫感があります。

ひらがなは形状の似通った表音文字であり、ひらがなが連続すると、どこで切ったらいいのかもわかりにくくなるからです。

こんなふうにひらがなだけがつづいたぶんしょうというのは、かなりよみにくいことがわかるとおもいます。

だからこそ、漢字とひらがなのバランスを考えることが大切になってきます。

漢字そのものをキーワードとして使う

漢字というのは、文章における引き立て役にもなります。

つまり、漢字そのものが「太字で書かれたキーワード」のような役割を果たしてくれるのです。

これは漢字とひらがな・カタカナを併用する日本語の強みでもあります。

記事06に続く

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