グーグルのマインドフルネス本『サーチ・インサイド・ユアセルフ』以下、SIY。
前回の記事からの続きです。
マインドフルネスの練習によって自己統制の能力が高まると、それが自信へとつながります。
相手や環境など外に向けたネガティブな思考は、おもに自分の嫌悪感から湧き起こるもの。
これに気づいて意識すれば嫌悪感を和らげることができます。
自分の体をリセットする
著者のメン氏は自己統制がうまくなることを、自分の復元モードのアップグレードと呼んでいます。
自分というシステムに問題が起こっても、復元方法がわかっていれば自信をもっていられるのです。
不愉快な思考や経験から立ち直ることを「自分の体をリセットする」とも表現できます。
リセットによってまた視界が開けて、再び頭が働くようになります。
マインドフルネスの練習によって、このリセットにかかる時間も徐々に減らしていけます。
友人のように情動と接する
自己統制とは、情動と仲良くなることだともいえます。
ミンゲール・リンポチェ氏は13歳の頃までパニック障害に苦しんでいました。
でも、そのパニックを敵のように扱ったりせず、友人のように接することで、パニックは3日で消え去ったそうです。
それらは現れたり消えたりするもので、見かけほど堅固でも実体のあるものでもないことがわかったのです。
幸せは「快楽・情熱・崇高な目標」
ザッポス社のCEO、トニー・シェイ氏は、従業員に幸せをもたらす企業文化を生み出しました。
同社では「幸せ」が成功の基盤となっていて、幸せを快楽、情熱、崇高な目標の三つに分けています。
「快楽」は高揚感を追いかけるような幸せであり、「情熱」はいわゆるフローの状態。
「崇高な目標」は自分より大きく、自分にとって意味のある目標です。
快楽から生まれる幸せはほとんど持続しないのに対し、フローから生まれる幸せや崇高な目標から生まれる幸せは長く続きます。
崇高な目標のために時間を費やす
僕たちは本能的に、快楽が持続可能な幸せだと思い込んでるところがあります。
なので時間とエネルギーの大半を快楽に費やし、ときどきフローを楽しみ、たまに崇高な目標について考える、といった生活をしがちです。
でも本当に持続可能な幸せを得ようと思うなら、正反対のことをしていく、つまり崇高な目標にまず取り組むことが大切です。
これは仕事でのモチベーションを見つける最善の方法でもあります。
崇高な目標と仕事がつながれば、その仕事をするのが幸せになり、フロー状態にも頻繁に入れるようになります。
自分の価値観と仕事を整合させる
モチベーションを高めるために大切なもののひとつが「整合性」です。
これは、自分の仕事を自分の価値観や崇高な目標と整合させるということ。
秘訣は、自分が楽しみとしてやっていることをそのまま仕事にすることです。
たとえば投資家のウォーレン・バフェット氏などが良い例となります。
またグーグルのエンジニアの大半は、コンピュータのコードを書くのを趣味のように楽しんでいるそうです。
フロー状態について
この手の仕事は「自分にとってとても意味がある」か「自分の中にフローの状態を生み出す」かのどちらか、もしくは両方を備えています。
フローというのはミハイ・チクセントミハイ氏が発見したピーク・パフォーマンスの状態。
その活動に没頭して、エゴが消滅し、自分のもてる技能を最大限に活用できる状態です。
このフローは「活動中の禅」ともいえます。
「取り組んでいる課題がその人の技能水準に合っていて、やりごたえはあるものの、圧倒されるほど難しくはないとき」に、フローは起こるのです。
【記事18に続く】
チャディー・メン・タン著『サーチ・インサイド・ユアセルフ』
コメント