『人生を変える一番シンプルな方法 セドナメソッド』ヘイル・ドゥオスキン著
感情を手放すテクニックについて書かれた本書を、数記事に渡って要約していきます。
前回の記事からの続きです。
(1記事目から読む)
本書も後半に差し掛かり、今回はみんなが苦手とする(?)目標の設定がメインテーマとなります。
目標の設定
「目標」という言葉を聞いたとき、自分にどんな感情がわき上がるでしょうか。
ネガティブな感情がわく人もいるかと思います。僕たちのほとんどは目標設定やその達成について、複雑な感情を抱いています。
著者の師匠であるレスター氏は、シンプルなシステムを作り、目標にまつわる多くの苦しみが和らげられることを願いました。
とらわれのない状態
自由の定義は「執着や嫌悪を持たないこと」となります。
目標を設定したとき、それに対しての執着や嫌悪を解放します。
すると心が「とらわれのない状態」となります。
目標を達成できるかどうか、まったく気にしていない状態で、そのほうが達成しやすくなります。
とらわれのない状態になるほどに、失う恐怖や失望が消え、今この瞬間持っているものすべてを楽しめるようになります。
何かを欲しいと思う気持ちを否定するのではなく、手放すのです。
目標設定に伴う感情を解放する
まず、目標についての「今」の感情をできるだけ認め、以下のように問います。
「その感情はどの欲求から来ている? 承認、制御、安全?」
「その欲求を手放せる?」
過去に達成できなかった目標に対する「今」の感情にも、上のような問いかけをしてみましょう。
自分で決めたことではなく、他人から要求された目標についても「今」どう感じているかに注意を向けます。
目標というのは「自分で選択した」と思えることが大切です。
自分の可能性を制限するような信じ込みや感情を、十分に手放せたという実感を得てから、次を読み進めていきましょう。
目標を書き留める
目標を書き出した人のほうが、考えただけの人よりも達成率が高いことがわかっています。
そして書くときの言葉遣いの的確さも大切になってきます。
・目標はすでに達成しているかのように、現在形で書きましょう。
求めるものは未来にではなく「今」作り出すのです。
・否定形は使わず肯定形で書きましょう。
例えば禁煙したいときに「僕はタバコをやめます」という言葉にしても、まずタバコをイメージしてしまいます。
「僕は非喫煙者になります」というような、心がイメージできるような目標を書くようにします。
・「僕にはできる!」という感覚が持てる目標にしましょう。
本当は毎月200万円ほしくても、現実味を感じないのであれば、毎月50万円というように、できそうな範囲で設定するのです。
・「欲しい」「したい」といった言葉を使わないようにしましょう。
これらの言葉は今の不足感、欠乏感を表してしまいます。
・根本欲求(承認、制御、安全、分離)を含まない言葉にしましょう。
例えば「〇〇さんに愛される」といった目標は承認欲求にしばられています。
・方法ではなく結果を書きましょう。
先ほどの「毎月50万円を得る」にしても「毎日〇〇を何時間やって稼ぐ」などといった方法は書きません。
誰かがくれたり、予想外の臨時収入があったりと、手段は無限にあるのです。
・勇気や受容、平安につながる文章にします。
「〜できます」「〜することを自分に許します」「〜を持っています」といった書き方にしましょう。
目標はいろいろあるかもしれませんが、積極的に取り組む目標は数を絞ってください。
目標の解放手順
ここまで述べてきた書き方のルールに従い、ノートを作って自分なりに目標を書きます。
書いた目標を読んでみて、最初に浮かんだ考えや感情をまた書きます。
その感情に対して「それはどの欲求から来ていますか? 承認、制御、安全?」と自問しましょう。
そして「この欲求を手放せるますか?」と聞き、手放せたと思ったら横線で消すかチェックを入れます。
行動ステップの手順
僕たちが目標の追求を避けたがるのは、達成のために必要な行動をしたくないからです。
行動に対する抵抗は解放できます。
ノートを開き、自分で決めた目標を再び書き出しましょう。
そして「この目標を達成するために何を行う必要があると思っていますか?」と自問します。
次に、思い浮かんだ行動をすべて、一行ずつ書き出しましょう。
書いた行動ひとつひとつの隣に、それに伴う感情や考えを書きます。
「この思考、感情はどの欲求から来ていますか?」と問い、出てきた答え(承認欲求、制御欲求、安全欲求など)をメモします。
それらの欲求をすべて手放しましょう。
リストアップした行動すべてに対し解放を行い、適切なタイミングで行動に移します。
視覚化と解放の相乗効果
視覚化(ヴィジュアライゼーション)に解放を組み込むことで、視覚化だけを使うよりもずっと効果があります。
目標を思い浮かべ、想像力を使って、達成したときのイメージをできる限り想い描いてすださい。
「無理だ」「これはウソだ」といった否定する感情すべてを認識しましょう。
そして「否定的な感情を認めることはできる?」「それはどの欲求からきている?」「その欲求を手放せる?」と聞きます。
この手順を5〜6回ほど繰り返しましょう。
やるほどに「僕にはできる、持てる」といった感覚が増してくるはずです。
(次の記事に続く)
『人生を変える一番シンプルな方法 セドナメソッド』ヘイル・ドゥオスキン著
コメント