『これも修行のうち。』要約#10 言葉を自分のものにする

瞑想

反応しない練習の実践編『これも修行のうち。

前回の記事からの続きです。

仏教に限らずとも、新しいことを身につけるには、繰り返しと継続が欠かせません。

考え方を変えようと思うなら、まず使う言葉を変えるという発想をしましょう。

たとえば前の記事で紹介した「なんとかなる」という言葉を繰り返して、習慣にしてしまうことです。

言葉を自分のものにする

新しい言葉を取り入れて、考え方を変えていくためのコツを紹介します。

まず、すでに心の中で繰り返されていて、自分が「やめたい」と思っている言葉を「言葉抜き」のテクニックで消していきます。

次に、新しく取り入れたい言葉をノートやスマホにメモします。

1日の始めに、メモした言葉をひとつ頭に入れて生活し、1日の終わりにその言葉を振り返ってください。

その言葉が意識しなくても自然に出てくるようになったら、自分のものになったということです。

新しい考え方の例

すぐに使えるいい言葉(新しい考え方)をいくつか紹介します。

【病気で仕事を休む場合】

(今までの考え)こんなときに病気になってしまった。(新しい考え)ありがたい、これで休める。

【失敗をしたとき】

(今までの考え)しまった。ヤバい。(新しい考え)失敗は失敗だ。今できることは何か?

【お金を落としたとき・損したとき】

(今までの考え)ついてない。もったいない。(新しい考え)しかたない。誰かが拾って役に立てるだろう。寄付したと考えよう。

慈悲喜捨をよりどころにする

以上のように、同じ出来事に対しても全然別の言葉、別の反応が出るのは、反応の根っこにある「動機」が変わったからです。

これまで動機が「欲」からくるものだったから、失ったことに動揺し、怒ったり落ち込んだりしたのです。

だから、動機という心の土台を入れ替えれば、何かが起こったときの反応も自動で変わります。

仏教が心の土台にすえるのは、慈悲喜捨すなわち「慈しみ・悲の心・喜の心・捨の心」。

それは、人の幸せを願う心、人の悲しみに共感する心、人の喜びに共感する心、手放す心です。

これらの心をよりどころにすれば、生活も人間関係も劇的に変化するはず。

仏教に限らず、本でも映画でもいいので自分が「これだ」と思った言葉を取り入れて自分の中で繰り返し、考え方を入れ替えていきましょう。

苦しみのない心に変えていく

考え方を入れ替える方法をまとめていきます。

まず自分にとって「快」の方向はどっちなのかを自問自答します。

次に「言葉抜き」などを練習し、頭の中が沈黙・無音の状態になることに慣れる。

自分の欲やプライドに根ざした「判断」をしたことに気づき、自覚する。

新しい考え方を言葉にして繰り返すことで、少しずつ自分の発想にしていく。

といった感じです。

ブディズムの目的は「苦しみのない心に変えていく」というシンプルなもの。

その目的に沿った正しい方法を実践していけば、必ず問題や悩みは解決していくはずです。

記事11に続く

草薙龍瞬著『これも修行のうち。実践!あらゆる悩みに反応しない生活

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