『ニューアース』ちょっとずつ要約#10

読書

エックハルト・トール著『ニュー・アース』。

前回の記事では5章の後半部分を要約しました。

今回は6章の前半部分をやっていきます。

著者トール氏の体験談などが多いですが、どれも他人事ではなく、自分のこととして読む必要があると思います。

この要約記事も10記事目となり、やっと折り返し地点にきた感じです。

認識すること

ペインボディからの解放は、まず自分がペインボディを「もっている」と認識することから始まります。

もっと重要なのは、しっかりと「いまに在る」能力と、観察力です。

ペインボディへの同一化を断ち切るのは、「いまに在る」という意識だからです。

思考とのつながりを断ち切れば、ペインボディはエネルギーを失います。

現在の感覚が、過去によって歪められることもなくなります。

すると、ペインボディに閉じ込められていたエネルギーの周波数が変化し、「いまに在る」意識へと形を変えるのです。

人間は誰でも、心の状態に対応したエネルギーを放射しています。そして人は潜在的に、相手の放射しているエネルギーを感じ取ります。

暴力行為を行なった人の多くは、ペインボディのせいで一時的に凶暴になった「ふつうの」人々です。

進化しない人間は、自分の無意識の結果に苦しみます。宇宙の進化という動きから外れているのです。

大きく考えれば、ペインボディにも存在価値があります。際限のない苦しみの繰り返しに耐えられなくなると、人は目覚めるからです。

「いまに在る」こと

ある三十代の女性がトール氏に会いに来た時のエピソードです。

彼女が思いペインボディを抱えていることに、トール氏にはすぐわかりました。

彼女は「不幸な自分」という重荷を背負って生きていました。でも自分の重荷は自分自身だと、どこかで気づいていたのでしょう。

目覚めの準備ができていたからこそ、トール氏のもとに来たということです。

トール氏は彼女に「いまの思いを完全に受け入れることはできますか」と聞きます。

彼女は「受け入れることなんてできない」と言うが、トール氏は、

「そう言っているのは誰ですか?」と問い返します。「あなたでしょうか、それともあなたのなかの不幸でしょうか?」

何かをしなさい、と言っているわけではありません。ただ、現にある思いを認められるか、と言っているだけなのです。

すると彼女に変化が起こりました。「私は今も不幸ですが、その不幸の周りにスペースができたみたいです。前ほど重大に思えなくなりました」

それは彼女のペインボディの終わりの始まりでもありました。

その女性が去った後、トール氏の友人が部屋に入ってきて言うには「すごく重くてどんよりしたエネルギーを感じる」とのこと。

トール氏は友人に、ある人が重いペインボディの解放を経験したから、そのときに放出されたエネルギーが残っているのだろうと説明しました。

個人のもののように見えるペインボディも、あるレベルではすべてつながっているということが、次のインド料理でのエピソードで裏付けられます。

ペインボディの逆襲

先ほどのペインボディ解放のセッションの後、トール氏はインド料理店に行き、料理を注文しました。

すると食事を終えたばかりの車椅子の中年男性がトール氏をチラ見した後、急にいらいらし始めました。

皿を下げにきたウェイターに対し男は「なんてまずい料理なんだ」と言い、ウェイターも「じゃあどうして食べたんです?」と言い返します。

男はかっとなってののしり、激しい憎悪がレストランに充満しました。

これはトール氏といっしょにエネルギー場がレストランにやってきて、周波数の一致する相手つまり車椅子の男に取りついたということです。

子どものペインボディ

さっきまで天使のようだった子どもが、数秒後には小さな怪物のようになったりするのは、ペインボディが現れるからです。

子どもは人類の集団的ペインボディを、多かれ少なかれ分かち持っているのです。

同時に子どもは親のペインボディの影響も受けます。敏感な子どもは成長後、重いペインボディを抱えてしまいます。

親同士が「子どもの前では喧嘩はやめましょう」と言ったところで、子どもはだませません。

親はまず、自分自身のペインボディを認識しなければなりません。

充分に「いまに在る」必要があります。

そしてペインボディが活性化したときには、感情レベルで気づくことが大事です。思考が入り込んで「不幸な私」をつくり出す前に気づくのです。

子どもがペインボディに襲われているとき、私たちにできるのは、自分が「いまに在って」反応しないようにするくらいです。

ドラマに巻き込まれてはいけません。あまり深刻に受け取らないようにしましょう。

あなたが反応しなければ、子どものペインボディはさらに激化するかもしれませんが、やがて収まります。

落ち着いたときに子どもと話し合いましょう。こんな具合です。

「昨日、泣きわめいていたのは覚えてる? どんな気持ちだった? きみに取りついていたものに名前はある? そいつはどこかへ行ったのかな」

どの質問も子どもの観察力を目覚めさせます。

観察力とは「いまに在る力」です。この力があると、子どもがペインボディから自分を引き離すのに役立ちます。

不幸

不幸のすべてがペインボディから発しているわけではありません。

あなたが現在とずれて「いま」を否定したために生まれる不幸もあります。

いまという時に無条件の「イエス」を言えれば、よけいな不幸を生み出すこともありません。

ペインボディの不幸は過剰反応です。重いペインボディを抱えている人はすぐ動揺し、傷つき、不安になります。

ささいなことが引き金となり、積み重なった古い感情をよみがえらせるのです。

ペインボディとエゴには密接な関係があります。両者はお互いを必要としています。

出来事や状況は、エゴというスクリーンを介して、歪められて解釈されます。

自分のなかにある感情的な過去という目で、いまという時を見ることで、よけいな反応をしてしまいます。

この反応が、ペインボディの必要としている糧なのです。

重いペインボディに取りつかれている人は、自分でつくった「物語」を現実だと思い込んでいます。

当人にとってはそれが現実なので、抜け出すことは困難です。

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