『超訳般若心経』まとめ・要約その5

瞑想

境野勝悟著『超訳 般若心経』。

前回の記事からの続きです。

般若心経の残りの部分を簡単に訳すと、

「今からとっておきのものすごいマントラを教えるよ。それはこんなマントラだ。ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてーはらそーぎゃーてーぼーじーそわか。以上」

ということなのですが、本書ではそもそもマントラと何かというような話に広がっていきます。

それでも本書の中で一番面白い部分だと僕は思っています。

真言を唱えるのが他力

現代の世の中では坐禅するだけではなかなか安心できません。

「自力」と「他力」の調和した修行が必要になってきます。

坐禅が自力だとすると、真言を唱えるのが他力であり、仏や如来に助けてもらえるようになります。

慣れてきたら心の中だけでもいいけれど、はじめのうちは一音一音、声に出して唱えたほうがいいです。

秘密の教え、密教

出家して修行をしなくても苦悩から救われるための方法として、古代インドで密教が誕生しました。

密教ではマントラ(呪文や真言と意訳される)を唱えることで、一般大衆にも安心を獲得させました。

マントラには人の理解を超えた秘密の力があるのです。

ナムアミダブツもマントラ

阿弥陀仏はこの世の一切の生命を活かし、育てている力です。

この阿弥陀仏に感嘆符「なむ」をつけて「ナムアミダブツ」と唱えることで、苦しみから解放される。

これが鎌倉時代に生きた法然聖人の考えです。

ナムアミダブツは日本が発祥のマントラだと言えます。

苦悩から抜け出す方法としてのマントラ

人間として生まれたというのすばらしいことのはずなのに、僕たちは何かと苦しんでしまいます。

だからといってネズミや虫に生まれればよかったのかというと、そんなわけもないはず。

法句経に「心の安らぎこそは、最上の幸せなり」という言葉があります。

自力ではどうにもならない苦悩の記憶から脱出するための方法として、マントラの口唱があるのです。

マントラ・真言を唱えることで悩みの記憶を消せば、思いがけない力が生まれます。

マントラは大自然への感謝と祈りを捧げることでもあり、これにより病気も治りやすくなるという事例も、実験で確認されています。

般若心経で大自然の力とつながる

般若心経は大乗仏教の経典です。

出家をしなくても、一般の男も女も誰でも救われ、心安らかな生活を送れるという思想です。

ただしそのためには大自然の偉大なる救済の力にスイッチオンしましょうということ。

般若心経の最終部に書かれているマントラがその方法なのです。

日常生活での言葉もマントラ

ちなみに好きな人から言われる「ありがとう」という言葉も、一瞬にして元気になれるマントラといえます。

「おかげさまです」といった言葉もそうです。

また、こちらの言ったことに対する返事として「は〜い」とか「はいはい」ではなく、誠実に「ハイ」と言われたときは気持ちいいもので、これもマントラといえます。

おかした失敗を認めてあやまることは、純粋な心からくるものであり、真心のこもった「ごめんね」もマントラです。

得阿耨多羅三藐三菩提

サンスクリット語の「アヌッターラー・サンミャク・サンボーディ」、最高の悟りを得るという意味です。

悟りは厳しい修行の結果として得るものではありません。

「はからいを捨て、分別を捨て、生まれたままの自分に戻ればその瞬間みな悟る」といいます。

言霊

いい、悪いという判断はエゴがつくるものであり、それに固執している限り、苦悩は絶えません。

頭の中にある善悪の記憶を一時的にでも消せば知恵が発生しますが、その方法として真言を唱えればいいのです。

「言霊」というように、言葉には意味のほかに強いパワーが潜んでいます。

美しい言葉、よい言葉は幸福を呼び、悪い言葉は災いを招きます。

次の記事に続く

境野勝悟著『超訳 般若心経

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