『小説アルケミスト』あらすじ・要約まとめ#14

読書

パウロ・コエーリョ著の小説『アルケミスト 夢を旅した少年』。

前回の記事からの続きです。

少年はファティマに出会ってから2日目にプロポーズし、それからは毎日、井戸のそばで15分間会話するという生活を約1ヶ月続けます。

ファティマは言います。

「あなたは私を愛していると言ったわ。それからあなたは宇宙のことばと大いなる魂について教えてくれました。そのために、私はあなたの一部になったのよ」

プロポーズの返事

彼女は永い間、砂漠が贈り物を届けてくれることを夢見ていて、その贈り物が少年だと言います。

少年にとってはプロポーズ成功ということで彼女の手をとろうとしますが、彼女は持っている水さしを離さずに続けます。

彼女が言わんとするのは、少年のゴールは自分と結婚することではなく、ピラミッドにある宝物を見つけるということ。

だから旅を続けてほしいし、それでお互いの愛が変わることもない、ということです。

「もし私が本当にあなたの夢の一部なら、あなたはある日私のところへ戻ってくるでしょう」

待つ女、作業を始めるイギリス人

彼女の言うことが正しいとはわかっていても、少年はせっかく出会えたのにまた離れるのを悲しく思います。

そんな気持ちを伝えても、彼女は「砂漠の女は男の旅を邪魔しない、待つ女なのよ」というような話をします。

そして男は必ずしも戻ってくるとは限らず、帰らない人が砂漠の一部になることも、ファティマは受け入れるということでした。

次に少年は彼女のことを話そうとイギリス人のところに行ってみたら、彼はかまどを作って錬金術のための「大いなる作業」を始めていました。

「僕は本当は10年前からできたことを、今やっとやり始めた。20年間も待たなかっただけ、少なくとも僕は幸せだ」

彼はただ本当を読んでいたときよりも目を輝かせながらそう言うのでした。

(ちなみにイギリス人がこの小説で登場するのは、このシーンが最後です)

2羽のタカが少年に見せたもの

少年は1人で石の上にすわり、愛と所有の概念はどう区別するのか、などともの思いにふけっていました。

空を飛んでいるタカの様子をなんとなく目で追い、その動きにも意味があるかもと考えているうに、少年は眠りそうになります。

しかし突然、一羽のタカが空を突っ切って、もう一羽のタカを襲ったことで、少年の心にはっきりした映像が浮かびます。

それは軍隊がオアシスを襲撃するという映像。

少年はそのヴィジョンが本当に起こる気がして止まず、頼りにしているらくだ使いに相談するのでした。

らくだ使いに相談してみた

「砂漠は誰の心にもヴィジョンを見せるものさ」と、最初は少年の言葉を受け流そうとするらくだ使いでしたが、話を聞くうちに、これはマジだなと理解します。

らくだ使いは少年が「大いなる魂」とつながったのだとわかり、自分が過去に千里眼と呼ばれる人に相談したのを思い出します。

その千里眼の男に、なぜ未来のことに興味を持つのか尋ねられ、らくだ使いは「起こってほしくないことを変えるため」と答えました。

しかしながら、基本的に未来を変えることはできないということ。

もし悪いことが起こるのを前もって知ってしまったら、起こる前から苦しむことになる、と千里眼は言います。

らくだ使いが千里眼に言われたこと

千里眼が言うには、自分は未来を読んでいるわけではなく、推測しているだけであり、未来がわかるのは神様だけとのこと。

神様が未来を明らかにするのは、特別の事情ががある場合だけです。

秘密は現在のここにあり、もし現在によく注意していれば、現在をもっとよくすることができます。

そして現在をよくすることで将来起こってくることもよくなります。

毎日の中に永遠があるのだから、未来のことなど忘れてしまいなさい。

記事15に続く

パウロ・コエーリョ著『アルケミスト 夢を旅した少年

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