『小説アルケミスト』あらすじ・要約まとめ#13

読書

パウロ・コエーリョ著の小説『アルケミスト 夢を旅した少年』。

前回の記事からの続きです。

イギリス人に協力して錬金術師の情報を集めている最中、少年はある女性に出会います。

出会った瞬間、これは運命の出会いであるとお互いにわかるのでした。

(この出会いについて、小説では2ページくらいかけて素敵な文章で描写されています)

彼女との出会い

少年は彼女の黒い瞳と、笑おうか黙っていようか迷っている感じの口元を見た瞬間、世界中で話されていることばの最も重要な部分、つまり愛を学びます。

愛は人類や砂漠よりもはるか昔からあるものであり、二人の目が合った時にいつでも流れる力です。

彼女の微笑みは確実な前兆であり、純粋な「大いなることば」でした。

少年が感じたのは、自分が一生に一度だけ出会えるただ一人の女性の前にいるということであり、彼女も同じことを認めたのが話さずともわかるのでした。

そのような二人が互いに出会い、目を合わせたとき、過去も未来ももはや重要ではなくなります。

「マクトゥーブ」と少年は思うのでした。

ファティマという名の少女

そんなことになっていると知らないイギリス人は、さあ彼女に聞いてみなと少年をゆすります。

(アラビア語が苦手なイギリス人の代わりに、道ゆく人に錬金術師のことをたずねている最中なのです)

少年は彼女に名前を聞くと「ファティマです」と目をふせて答えます。

イギリス人がせかすので少年はファティマに錬金術師について聞くと、その人は砂漠の妖精と話をする人だと答え、あちらのほうに住んでいると言って南のほうを指さしました。

それから彼女は水がめに水をくんで立ち去るのでした。

錬金術師に出会ったイギリス人

イギリス人も錬金術師を探しどこかへ行ってしまい、少年は一人でしばらく井戸のそばにすわっていました。

少年がタリファにいたころ、東風が彼女の香りを運んてきたのを思い出し、彼女の存在を知る前から愛していたのだと気づきます。

そして彼女に対する愛は、世界中の宝物を発見させてくれるのです。

少年が翌日また井戸のところに来てみたら、いたのはファティマではなくイギリス人。

聞くところによると、彼は昨日の夜中に錬金術師にあったとのこと。

鉛を金に変える方法を学ぶためにここまで来たとイギリス人が言うと、その錬金術師に「じゃあやってごらん」と言われたらしいです。

はるばる旅をしてきてやっと出会えたと思ったら、やってみろと言われただけのイギリス人を少年はかわいそうに思います。

「僕はやるつもりだ。今から始めようと思う」

でもイギリス人は俄然やる気を出して去っていくのでした。

出会って2日目にプロポーズ

その後にファティマが水をくみにやってきました。

「君に1つだけ言いに来ました」と少年は言います。「僕の妻になってほしいのです。あなたを愛しています」

ファティマはびっくりして水さしを落としますが、少年は続けます。

自分はピラミッドの近くにあるという宝物を探すために砂漠を越えてきて、戦争が起きたときは呪いだと思ったけど、そのおかげで君に会えた。

今となっては少年にとって、ファティマのほうが宝物よりもずっと大切に思えます。

「部族の男たちはいつも宝物を探しています」

彼女はまるで少年の心を読んだようなことを言い、砂漠の女はそんな男を誇りに思っていると言って去っていきました。

長引く戦争と井戸通い

それから少年はファティマに会うために毎日、井戸に通います。

彼女に会って話ができるのは1日15分間だけでしたが、その間に少年は羊飼い時代のこと、王様のこと、クリスタルの店のことなどを話しました。

こうして1ヶ月が過ぎるのですが、キャラバンのかしらは旅の仲間を集めて、戦争がいつ終わるかわからないから旅を続けられない旨を伝えます。

善玉とか悪玉とかではなく、パワーバランスの調整のような戦争であり、アラーの神が両方についているから長引くとのことでした。

記事14に続く

パウロ・コエーリョ著『アルケミスト 夢を旅した少年

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