10分間瞑想とマインドフルネスの本『頭をからっぽにするレッスン』
前回の記事からの続きです。
瞑想とは、思考を止めることではありません。
著者のプディコム氏は修行したての頃、「瞑想=心を無にする」という誤解を強めてしまったといいます。
導師に「力を抜きなさい」と言われても、力を抜こうとして力を入れてしまう有様でした。
その後、とても説明の上手な導師に出会うことで、瞑想とは何かがわかってきたそうです。
走っている車をただ眺めるイメージ
導師によれば、思考とは道路を走っているたくさんの車とのこと。
瞑想を始めたてのころは、瞑想のせいで道路の車(思考)が増えたと思いがちです。
でも実際は、瞑想によって今まで気づかなかったことに気づくようになったということ。
これら思考や感情を、力づくで止めようとしなくてもいいし、目をそらそうとする必要もありません。
走る車を制御しようと道路に出ていく代わりに、今いる場所にしばらくじっとしていてください。
そこで、ただ思念が通り過ぎるのを眺めることに慣れましょう。
最初はどうしてもまた思念にとらわれたり、抵抗したくなりがちですが、練習時間が増えるとともに、だんだん楽になっていきます。
自分と思念とを分ける
僕たちは思念を傍観する存在であり、その思念というのは勝手に浮かんでは消えるものです。
「思考や感情」と「自分自身」を切り離すというのがコツです。
そして、思考や感情をコントロールしようと思わないでください。
代わりに、浮かんでは消える思考の数々のうち、どれが生産的なもので有用なのか、どれが非生産的で無用なのかを自問するようにしましょう。
このように、思考の流れを観察するようにしていれば、心が落ち着き、創造的な思考が生まれる余地が広がります。
コントロールを手放した状態で意識を保つ
瞑想とは、コントロールを手放して、一歩引いた状態で意識を保つことです。
「無心」や「心がからっぽになる」といった境地になるために、何かをする必要はありません。
つまり「何もしない」ことが大切であり、それにより著者プディコム氏は思考が落ち着いてくる自覚があったものの、まださらなる何かを求めていました。
彼は、もっと達観した何かというか、永遠の変化につながるようなものを知りたかったのです。
雲よりも上空は青空が広がっている
再び導師に相談する機会を得た彼はまず、すっきり晴れた青空を想像するように言われます。
心の奥底にある自然な状態は、この青空のようであるとのこと。
今、どんなに雑念や混乱のさなかにあっても、リラックスしていた時のことを思い出すのは可能なはずです。
次に、どんよりとした曇り空を想像し、その雲が自分の思念であると考えてください。
空全体が灰色の雲に覆われていたとしても、飛行機に乗って雲よりも上空へ飛べば、そこには青空が広がっています。
つまり、その時の気分がどうであっても、心は本来、青空のようにつねに変わらないものなのです。
いつでも帰れる場所が心の中にある
「からっぽの状態」とはこの青空のようなもので、いつでもここにあるもの。
瞑想は、雲を寄せ付けないようにしたり、取り除いたりするようなものではなく、雲の動きを観察するようなものだと思いましょう。
すると雲の隙間から青空が見えたりすることにも気づくはずです。
そして、がんばらず何もせず、心を落ち着けてただ「在る」ことに自信を持てるようになります。
自分の心の中に、どんなときでも静かで穏やかな、いつでも帰れる場所があることを想像してみてください。
肉体の感覚に集中する
肉体の感覚に2分ほど集中するエクササイズを、以下にざっくりと説明します。
- どんな状況でも、安らかな気分でいられる場所が心の中にあるという前提に立つ
- 座った状態で、お尻や足の裏など、自分の触覚のひとつに集中する
- 心がさまよい、別のことを考えていることに気づいたら、また肉体感覚のひとつにそっと注意を戻す
【記事05に続く】
アンディ・プディコム著『頭をからっぽにするレッスン』
コメント