10分間瞑想とマインドフルネスの本『頭をからっぽにするレッスン』
ビルゲイツさんやユーチューバーのサラタメさんも絶賛した、瞑想の入門書です。
なんのために瞑想するのか、どうやってやるのか、などがしっかりと納得できる内容になっています。
今回から少しずつ要約していきます。
アジアの僧院を巡ったイギリス人著者
著者のアンディ・プディコムさんは大学在学中、アジアで仏僧になろうと決意しイギリスを飛び出したという人物。
当時の彼は、頭の中の考えが止まらなくなってしまうという問題を抱えていました。
思考だけではなく感情も同様でした。
その解決策が、子どもの頃に少しだけ経験したことのある「瞑想」だと直感していたわけです。
当時たまたま習った瞑想で「心の静かな状態」を体験できたものの、当時のイギリスでは一般的ではなかったため、それほど真剣には練習していなかったそうです。
大学生になった頃、彼の身に悲しいできごとが立て続けに起こり、瞑想がかつてないほどの重要性をもつようになりました。
感情を押し込みながら生活していたのも限界に達し、とうとう大学をやめてアジアの僧院を巡ることになったのです。
瞑想を一般的にするため俗世へ
プディコムさんはインド、ネパール、タイ、ミャンマーなど、国から国を渡り歩いたといいます。
脱走を試みた僧院もあったそうですが、いろんな場所で彼は修行し、複数の師匠にめぐりあい瞑想スキルを磨きました。
そして一般の人々に、瞑想を日々の生活に取り入れることを広め始めます。
誰もがストレスの対処法、人間関係の改善法、不安や怒りをやわらげる方法を知りたがっているからです。
ピエロと仏僧の共通点
ちなみにプディコムさんは僧院生活での運動不足などを改善しようということで、サーカスのピエロの練習を始めたとのこと。
意外にもピエロと仏僧は似ていて、一瞬一瞬の肉体の動きに意識を向けることがとても大切なのです。
またピエロのレッスンでは「リスクを冒し、いろいろ試し、失敗する能力に自信を持て」なんて言われるのが、僧院の修行と似ていました。
大切なのは、何も考えず、人にどう思われるかを気にせず、結果にこだわることなく「ただやる」ことです。
目の前の瞬間に注意して生きていれば、正しいことを感じとれるようになってくるのです。
瞑想を生活のためのツールとして使う
彼が僧院生活で教わったのは「細部まで気にかけ心を配る」という瞑想法でした。
しかし、当時の世間一般で教えられている瞑想は、何のメリットがあるのかわかりにくいものでした。
なので彼は、正しい瞑想の方法や、その効果などを理解してもらうことを目的としたのです。
こうしてマインドトレーニングの一環としてスタートしたのが、瞑想アプリでも有名な「ヘッドスペース」。
理念はシンプルなもので、瞑想を「人々が頭を空っぽにするためのツール」にすることです。
より多くの人に体験してもらいということで、生まれた方法が「10分間瞑想」と「マインドフルネス」なのです。
数千年の歴史に裏打ちされたテクニック
瞑想は数千年にわたり、師から弟子へと受け継がれてきたテクニックです。
この伝統に裏打ちされた信頼感はかなりのもので、おかげで現代では医療にも取り入れられるようになりました。
しかしながら30年以上前では、瞑想という言葉が病院で相手にされなかったため、先進的な人たちは「マインドフルネス」という呼び名で研究を続けたのです。
マインドフルネスは「注意する、心を配る」という意味で、ただ目を閉じて座るという形を超えた、瞑想のテクニックの中心となる要素です。
気をそらさずに「今、ここ」に存在すること。
心を落ち着け、いっさいのこだわりも予断も捨て、自然な意識を保つということです。
【記事02に続く】
アンディ・プディコム著『頭をからっぽにするレッスン』
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