『運命を拓く』要約と感想その13。勇気は心を安らかにする

瞑想

中村天風著『運命を拓く 天風瞑想録

前回の記事では 第十章「恐怖への戒め」の部分を要約しました。

今回は第十一章「勇気と不幸福撃退」について。

何事に対してもやたらと悲観したり心配したりするのを止めることが、よい人生を活きるためには必要です。

心配癖はなくすべき

僕たちは心配するのが当たり前だと思いがちですが、実際は違います。

人間が万物の霊長としてこの世に生まれてきた理由を考えたなら、心配や悲観がいかに不要なものかがわかるはずです。

百歩譲って心配するのが正しいとしたら、病気にかかった場合に心配することで早く治るようになるはずですが、そうはなりません。

不運なときには悲観すればするほど、いっそうよくないことが起こるというのが事実です。

これらの事実に気づかず、心配や悲観を続けるのは、宇宙の法則や心の偉大な力に無自覚だからです。

思考が現実になる法則

なんでも心配や悲観をしてしまう習慣に気づかず、直さないでいると、人生を闇にする哀れな気分に支配されてしまいます。

すると苦しいことや悲しいことが現実として姿を現すように、宇宙真理はできています。

生きがいのある人生のするために、かりそめにも、とりあえずでもいいので心配や悲観をやめましょう。

大宇宙の中には精気があり、プラスの気とマイナスの気が入り混じっています。

積極的な気分でいることを心がければ、心の中にプラスの気が入ってきます。

宇宙の心「真、善、美」とつながる

みんなが神仏と呼ぶ、宇宙の根本主体の心の中には「真、善、美」以外にありません。

僕たちの心はその宇宙の心とつながっているのだという自覚を持ちましょう。

病や不運にみまわれたときこそ、自分の命を守るための力をつける、すなわち心を積極的にしなければなりません。

他人に影響されないこと

他人の言葉や行為に影響されたり、同情したりしてもいけません。

同情は尊い気持ちではありますが、相手の消極的な気分にわざわざ同調することはないのです。

誰かに忠告や勧告をして、それに応じるかどうかというのはその人の勝手です。

人の意思は自由だから、こっちで干渉する権利はありません。

また誰かに親切をしたのに、感謝されないと怒るような人も滑稽なものです。

勇気は人生を統一する基礎

病のときなどは「なにくそ、負けてたまるか」と思えばよいのですが、なかなかそんなふうには考えられません。

その原因は勇気が欠けている、または勇気はあるのに出し方がわからないことにあります。

勇気というのは人生を統一するための根本基礎となります。

生命の本体は形ある肉体ではなく、見えない気の中にあります。

肉体が強いに越したことはないけれど、それは物質的方面のみの発達にすぎません。

理想的に生命を発達させるには、心の方面を積極にする必要があります。

まずは勇気を煥発しよう

心を健全に活かしていれば、生命の源泉を確保したことになります。

そうすれば形ある肉体も、その力に導かれて健全になります。

心を健全に、積極的にするための要点は「勇気の煥発」です。

どんな場合においても勇気を出せば、虚心平気の状態で対応できます。

弾丸の当たらない男

天風氏は過去、とある炭坑のストライキ調停のために単身で現地に赴きました。

立てこもっている労働者たちは銃を持っていて、炭坑の入り口の橋を渡ろうとすると撃ってくるため、誰も近づけませんでした。

しかし天風氏、労働者を救おうとしている自分に弾丸など当たるはずはないと、虚心平気な気持ちで橋を渡りました。

パンパンと銃が撃ちかけらたものの、服には六発かすっていたけど身体には当たらなかったそうです。

以上、超人的なエピソードでした。

心の平安のために勇気を欠かさないこと

やすらかな気持ちで活きるためには勇気が必要です。

勇気がないと、何かあるとすぐに心の調和を失ってしまいます。

理屈は抜きにして、どんなことがあっても勇気を失わないようにしましょう。

そのためには観念要素の更改を真剣にやるとともに、普段から勇気のある人と付き合うようにします。

天風氏の本を寝がけに開いて、どのページでもいいから読んでから眠りましょう。

次の記事に続く

中村天風著『運命を拓く 天風瞑想録

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