『運命を拓く』要約と感想その8 生命力の受け入れ口を広げておく

瞑想

中村天風著『運命を拓く 天風瞑想録

伝説の人、中村天風氏の本を数記事に渡って要約していきます。

前回の記事では第六章「人生と運命」について書きました。

今回は第七章「人間の生命の本来の面目」について。

面目というのは「すがた」「目的」という意味です。

それは一言でいうと「創造の生活」です。

人は本来、創造的である

「風邪に用心しましょう」などといった情報は不要なものです。

医者になる人にとっての医学の知識は必要だけれど、素人が中途半端に知ると逆に害になることもあり、そのせいで治る病も治りにくくなる場合もあります。

医者よりも自分の病を詳しく知っている人なんて、天風氏にいわせれば「バカ」です。

人間の生命の本来の面目が創造的である理由は、進化と向上を現実化するためです。

ものの破壊や消滅を好まず、ものの成就や完成を好む気持ちというのは、人間に共通している傾向です。

この自然傾向を応用できれば、死ぬまで健康でいられるし、自分のやることはすべて成功します。

創造意欲を燃やし続けよう

何事をも完全であらしめたいという意欲を、誰しもが共通にもっています。

大切なのはこの創造の意欲を、どんなに年老いてもピンボケにしないことです。

50代、60代になったとしても心の中で情熱の炎を燃やし続けることが大切。

ただし、卑しい希望や汚れた欲望から出発したものというのは満たされない場合が多く、満たされたとしても結局、価値のない人生に陥るおそれがあります。

自分の「分」を知ることが、本当の自己認証です。

自分に見合わない、分不相応な欲望というのはもはや創造意欲ではなく、価値がありません。

まず正しく念願すべきものは「自己向上」です。

自己向上が本来の活き方

創造意欲がないのを自分の年齢のせいにする人は、自分の人生の価値を全然認識できていません。

僕たちが少年少女のときも、青年のときも、老年のときも、どれも同じ人間のはずです。

変わったと思うのは心の中の知恵分別や、体の発達の状態などで、人間そのものは変わりないはず。

だから自分を磨き続けて活きることが、生命を与えてくれた造物主に対する正当な義務なのです。

いかなる場合も自己向上を怠らないことが、生命の本来の理想的な活き方です。

そういう気持ちでいれば、年老いても人並み以上の若さと溌剌さに満たされます。

生命力を受け入れればいい

そうした活き方をしていれば、言葉や行動も自然に変わり、進化と向上に順応することになります。

僕たちの生命は、常に伸びよう伸びようとしていることを忘れてはいけません。

自己向上の意欲が薄いというのは、造物主から与えられる生命力の受け入れ口を、自分でわざわざ塞ぐようなものです。

今現在、病気の人や不運な人は特に、心をこだわらせないようにしてください。

病のときに病にこだわれば、病に負けてしまうと思ってください。

病は忘れることによって治りますが、みんな「忘れたらどうなるんだろう」と心配します。でも大丈夫です。

人の生命は宇宙霊と一体

「健康でも運命でも、心がそれを乗り越えていくところに、生命の価値がある」

天風氏はヨガの聖者からこれを聞いて「そうだ!」と思ったとのこと。

若々しく力強い精神を、常に自分の心に持たせましょう。

生きている間は、造物主(すなわち宇宙霊)からの力を受け入れる口を、自分で広げておきましょう。

人の生命は宇宙霊と一体であり、人の心は宇宙霊の力を受け入れる能力があります。

意欲を燃やしていれば、宇宙霊が自分に何をなすべきかを教えてくれるはずです。

自他の幸福のためを思ったほうが力が湧く

事業に成功する人というのは、自分の欲望から離れ、世の中の役に立とうという気持ちでいる人です。

あまねく人類幸福のために、創造にはげむ自分であり続けましょう。

何を志すにしても、自己向上を目的とする。それは自分のためだけでなく、自他の幸福のためにするという広い意味を持ちます。

そうすることで自分の勉強にも努力にも、ぞくぞくするような力が湧いてくるのです。

観念要素の更改(就寝前に鏡の前で、断定口調で願いを口に出す)を毎晩毎晩やりましょう。

次の記事に続く

中村天風著『運命を拓く 天風瞑想録

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