『生きたくなかった僕の殻が割れて森に抱かれた日』本の紹介と感想

読書
森林療法

生きたくなかった僕の殻が割れて森に抱かれた日

ネドじゅんさんつながりで僕はこの本の存在を知りました。

頭の中の余計な思考が、不幸やうつ状態の原因であり、右脳優位の生き方をすれば今ここに意識が向いて幸せになれる、という本質的な部分がネドじゅんさんの本と同じです。

その方法として森林など、自然のものを「ただ感じる」ことから始めるといった、わかりやすい内容となっています。

僕はネドじゅんさんの『左脳さん右脳さん』と本書を交互に読んで、理解を深めようとしているところです。

小一時間で読み通すことはできますが、内容はやっぱり深いです。

ずっと続いていた苦しみからの解放

著者、枡田智さんは何十年間もうつうつとした状態ですごしていたと言います。その理由は、論理や言葉といった、左脳的な部分を重視しすぎていたからだということ。

もちろん、論理や言語のおかげで人間の技術や文明は進歩してきたところはあるものの、現代はあまりにも右脳的(感覚的)な部分を軽視しがちなのです。

そのことに気づいた著者は、思考を使わずに公園の景色を感じながら歩く、といったことを徹底的にやった結果、わずか3日で長年の憂うつから解放されたらしいです。

しかしながらちょっとしたコツのようなものが必要らしく、それを誰にでも伝わる言葉でまとめたのがこの本になります。

外側の世界と内側の感覚を連動させる

そのコツのひとつに「体内感覚と体外世界の連動」というものがあります。

わかりやすい例として、都会でたくさん人が歩いてる場面の写真を見た後に、森の中の小道を写した写真を見て、どんな「感じ」の変化があるかといったテストが本書中にあります。

あえて言葉で表現しようとするのはやめて、感覚の変化をただ感じる。

この感覚が鈍い状態だと、写真はおろか実際の景色を見ても何も感じない、ということになってしまいますが、それでも練習をしていれば正常な感覚はちゃんと戻るはずです。

無理のない範囲で続けていきます。

自分を透明にする

あと著者が「自身の透明化」という独特の表現をしているコツがあります。

そもそも人は「自分はこんな風に見えている」という、過剰な自意識で自己イメージを作り上げています。

だから、自分の映っている写真や動画を見ると「オレって実際こんなんなのか…?」とか思ったりするんですね…。

そこで、過剰な自意識をなくしていき、周りの景色が自然に視界に入っていくようにしていくと、なんとなく、その景色が自分をすり抜けてしまうような、楽な感じになる。

こういう練習を続けていくことで、わずらわしい思考から解放されて生きるのが楽しくなるんだと思います。

終わりに

本書の参考文献として挙げられているのが、ジルボルトテイラー博士の『奇跡の脳』という本。

この本はまだ僕も未読なのですが、博士は脳卒中によって右脳しか使えなくなり、結果的に深い安心感と幸せに包まれたらしい。

(というか、左脳の機能が失われても、本とかを書いたりできるんですね…。読んでみたい…)

右脳と左脳が実際どこまで役割分担しているのか、細かいところまではなんともいえないけれど、僕も思考にとらわれすぎるから苦しいんだというところまではわかります。

僕はこの本を読んでから、ただぼーっと木とかを眺めて「なんかいい感じだなぁ」とか思える場面が増えました。

いろんな人に読んでもらいたい一冊です。

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