『これも修行のうち。』要約#02 間違いないと思える目的

瞑想

反応しない練習の実践編『これも修行のうち。

前回の記事からの続きです。

2500年間伝わってきたブッダの修行法を、現代風にアレンジしたのがプチ修行。

今回はまず「シャワー禅」について説明します。

【プチ修行1】シャワー禅

まず「シャワーを浴びるぞ!」と宣言します。

次に「栓をひねる! 温水が出る! 目をつむる!」と、状況をいちいち言葉で説明します。

そして「肌に当たるシャワーの感覚! 感覚! 感覚っ…!」というように感覚を意識。

こう読むだけではアホらしく感じるかもしれませんが、それぞれの行為にしっかりとブッダの智慧が含まれているのです。

毎日やっていることでも「たしかな方法」として活用できるということで、たとえば歯磨きなどでも応用できます。

目的はシンプル

自分の人生の目的を思い浮かべてみてください。

そのとき思い浮かべたものによって明るい気持ちになれればOKですが、落ち込んだりするのであればそれは「無駄な妄想」です。

ブディズムが勧めるのは「これは間違いないと自分で思えるゴール」を設定すること。

何が間違いないかといえば、1つは「クリーンな心を保つ」こと。

クリーンな心とは、怒りや妄想、過剰な欲求やうぬぼれといった「無駄な妄想」がない状態です。

「納得」を目指す

間違いないゴールの2つ目が「正しい心の使い方を知る」こと。

ここで言う「正しい」とは、自分の幸せに役立つという意味で考えます。

心の使い方、すなわち現実との向き合い方を知れば、どんなときでも適切な対応ができます。

間違いないゴールの3つ目は「自分に納得できる」こと。

「これでいいんだ」と納得、肯定できる気持ちになることです。

このような納得の心境は「人生の究極のゴール」といっても過言ではありません。

方向が定まっていれば心は安らぐ

いま紹介した「外れのないゴール」をとりあえず頭のすみっこに置いておくことです。

現実がどんな状況であれ最終的なゴールがわかっていれば、それだけで心は安らぐからです。

「クリーンな心を保つ」「心の使い方を知る」「自分に納得する」、これら間違いないゴールに向かって小さな練習を積んでいきましょう。

心は五種類に分類される

嫌でも一生お付き合いすることになる「自分の心」について理解しておくことは大切です。

ブッダの教えによると、生命の本質を「心・体・関係性」の三つでとらえます。

そして心は「感覚・感情・思考・意欲・意識」の五種類に分類されます。

このうちの「意識」は心の底を流れるニュートラルなエネルギー。

意識が外の刺激に触れることで他の四つの反応が作られる仕組みになっています。

感覚は目・耳・鼻・舌・肌の五官を通して生まれるもの。

感情は喜びや怒り悲しみ、大きくわけると快か不快かの反応。

思考は脳で考えることすべてであり、不安や心配なども思考の産物。

意欲は何かを得たい、行動したいといったエネルギーです。

意識の方向を変えて心をリセット

以上が「私」と「心」の正体であり、このことは般若心経や原始仏典でも語られています。

これらの精神現象は、反応を繰り返さなければやがて消えるもの。

つまり執着、こだわりをなくせば苦しみも消せるということです。

そこで、苦しまないための心の使い方として「意識を向ける先を切り替える」という方法があります。

たとえば「不快な感情」に向いている意識を「体の感覚」に向け直し、リセットするのです。

イライラしたときなどは、運動したり食べたりすることで気分がすっきりすることを、みんな経験的に知っていると思います。

ブッダの教えが究極のメンタルヘルスかつ心のトレーニングになりうるのは、このような心の使い方を明快に教えてくれるから。

2500年間も語り継がれてきたのはダテではありません。

どこから始めてもOK

感覚・感情・思考・意欲のどれかひとつに偏りすぎることなく、意識を切り替えていく。

そうすれば不快が溜め込まれることなくリセットされます。

心の使い方を知り、本書で紹介するプチ修行をひとつでも試していけば、確実に人生にプラスをもたらすはずです。

修行法も感覚・感情・思考・意欲のどれかをテーマにしたものに分かれていますが、やってみようと思えるものからやれば大丈夫。

自分にピンとくるものがあったら手帳なり携帯なりにメモし、毎日を「心の練習」の場に変えていきましょう。

記事03に続く

草薙龍瞬著『これも修行のうち。実践!あらゆる悩みに反応しない生活

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