レトロなダンジョン系RPG風の異世界で、職業ニンジャの男が司教の女性と手を組み、生き残りをかけて奮闘するというほぼギャグの小説です。
暇つぶしに読んでみたら意外に面白く、記憶にもよく残っているので紹介します。
『小説家になろう』のサイトでも読むことができます。
(このサイトの中でも面白い作品は書籍化されていくわけです。夢のある話ですね)
ウィザードリィ風の世界観
僕はあまりやったことないのですが、ファミコンやスーファミ時代のダンジョンRPG『ウィザードリィ』シリーズの世界観がベースとなっているようです。
この世界では所持できるアイテムの数が8個までに制限されていて、主人公『ああうあ』は「アイテム倉庫」として酒場に入り浸る毎日を送っていました。
職業こそ上級職のニンジャでしたが、ダンジョン攻略のメンバーには入れられず、ただアイテムの保管や受け渡しを役割とする毎日。
レベルもずっと1のままで、同じく「アイテム倉庫」役の女司教『ああういあ』と仲良くなります。
この司教、少女っぽい風貌ですが、酒を飲むので一応成人にはなっているようです。
ニンジャに転機がおとずれる
そんなある日、ダンジョン探索をしていた他のパーティメンバーか全滅してしまいます。
「プレイヤー」としての権限が主人公のニンジャ「ああうあ」に移り、司教『ああういあ』を連れて自由に動けるようになりました。
それに加え、創造主である女神が、一週間後にこの世界を大幅にアップグレードすると告知してきます。
レベル1のままではヤバいということで、ニンジャは女司教とともに対策を始めました。
まずはとりあえず二人とも、本来の名前に改名することにしました。
ニンジャは『ああうあ』から『カナタ』に改名。
司教は『ああういあ』から『アーウィア』に。
ここで司教の名前は、改名前と後で、それほど変わっていないことが判明するのでした。
赤字狩り
カナタとアーウィアの二人は「赤字狩り」といわれる方法でレベル上げを始めることに。
これは、お金を湯水のごとく使いながら、普段の自分達では倒せない魔物に挑み、多くの経験値を得る方法です。
というのも、前のパーティが全滅したことで、当分は不自由なく暮らせるくらいの所持金がカナタに移ったから。
効果な回復薬と、司教が「魔弾」を放つための巻物を買い込み、お互いのアイテム欄をいっぱいにします。
そして、ニンジャのカナタと司教のアーウィアは、来たるアップグレードに備えてダンジョンに潜り込むのでした。
終わりに
なによりも面白いのが、カナタとアーウィアの漫才のようなやりとり。
ツッコミおよび物語進行役が主人公カナタなのですが、全体にただようシュールな空気感がまた笑えます。
活字だけでこの感じを表現できるってすごいと思います。
お笑い要素だけでなく一応、異世界ファンタジーなのでモンスターとの戦闘シーンも多く、これもまたかなりの臨場感です。
まずは軽い気持ちで読み始めてみるのをおすすめします。
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