細谷功先生の代表作『地頭力を鍛える』を紹介していきます。
地頭の良さというものを本書では次の3つの要素にわけています。
・結果を先に考える(仮説思考)
・全体から考える(フレームワーク思考)
・単純に考える(抽象化)
これらの思考力を鍛える方法のひとつが「フェルミ推定」。
フェルミ推定とは「少ない情報を元に、ざっくりとした数字を出す」といった方法で、頭脳をフルに使う必要があります。
この訓練をしていけば地頭はどんどん良くなっていくとのことですが、ベースとなるのはやはり知的好奇心。
以下、個人的に印象に残っている部分をまとめていきます。
電柱の本数を概算する
フェルミ推定の例題として本書で挙げられているのが「日本に電柱は何本あるか?」です。
この問題を見た瞬間、正直なところ「知るか!」って思うかもしれませんが、正確じゃなくてもいいので3分くらいで答えをひねり出してください。
検索エンジンなどに頼らず、自分の頭だけで考えます。(この記事を読んでる人の大半がググって来てくれてるはずなので恐縮ですが)
僕の場合「えーと、電柱って人口10人あたりに1本くらいありそうだから、大体1000万本くらい?」と考えました。
人口で考えるか日本の面積で考えるか、切り口はさまざまだと思いますが、どんなプロセスでその答えに至ったかが重要なのです。
ちなみに、実際の答えのプラスマイナス一桁の範囲に入っていればOKらしいので、僕が適当に出した1000万本も合格点ということです。
仮説思考の力
仮説を立てて考えようといわれると難しく感じるかもしれませんが、まずは目的や求める結果を先にイメージしようというもの。
スティーブン・コヴィー氏の『7つの習慣』でいう第2の習慣と同じです。
その他のさまざまな自己啓発書などで「なりたい自分をイメージしよう」と言われているものが、要するに仮説思考です。
やみくもにがんばるよりも、ざっくりとでもいいのでゴールを設定しておいたほうが方向が定まります。
この記事などを読むときも、とりあえずスライドして終わりのほうまで見て、最後まで読むのにどれくらいの時間と労力がいるか概算する人が多いと思います。そんな感じです。
知的好奇心にも2種類ある
地頭力のベースとなるのが「知的好奇心」であると最初のほうに書きましたが、知的好奇心にも2種類あると知っておいてください。
それはWhat型の好奇心とWhy型の好奇心。考える力を鍛える上で大切なのはWhy型のほうです。
たとえば問題集を解くときなんかでも、すぐに解答を見ちゃうタイプと、できるだけ自力で考えてから答え合わせをするタイプに分かれると思います。後者がWhy型。
単に知識を増やしたいだけのWhat型の知的好奇心というものは、むしろ地頭を鍛えるのには邪魔になる可能性があるのだと、頭に入れておきましょう。
かくいう僕も、本書を読むにあたり(実際にはオーディブルの朗読版を数回聴いたのですが)、せっかく細谷先生が問題を出してくれてるのにすぐに解答を確かめてしまっていたところがあるので反省してます…。
終わりに
以上、地頭力は生まれもった資質によるものも確かにありますが、鍛えて伸ばしていけるものだということが本書で語られています。
1度や2度読み通しただけでは理解できないかもしれないけれど、それでもモノの見え方が変わるような体験ができます。
「頭が良い」とはどういうことなのか、あらゆる角度から説明されているのが面白かったです。
今回の記事で紹介できたのは本書のごく一部です(僕の地頭力の程度によるものです)。詳細が気になる方はぜひとも実際の本を手に取るか、オーディブル版を聴いてみることをおすすめします。
細谷功著『地頭力を鍛える』
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