『言語化の魔力』
頭の中でモヤモヤ考えていることをしっかり言語化できれば、悩みは解消していく。
悩みの「解決」ではなく「解消」という言葉を使っているところが大事です。前者は一気にゼロにするニュアンスに対し、後者はじわじわ減らしていくニュアンス。
タイトルは同じ出版社でヒットした『メモの魔力』に乗っかっていて、本質は近いのかもしれないけれど、想定する読者層はかなり違う感じがしました。
どちらにしても良い本だったので、個人的に記憶に残っているところをまとめておこうと思います。
著者・樺沢先生について
ところで著者の精神科医・樺沢紫苑先生はこれまでに何十冊も本を出していて、僕もそのうち何冊かは読みました。
さすがに内容がかぶることはあるものの、なんだかんだで毎回新鮮な気持ちで読めてしまうから不思議です。
YouTubeでも5分くらいの動画をたくさん配信していて、気になる情報をピックアップできるので活用させてもらってます。
有用な情報や知識を得ることは、悩みの解消に直結するとのことです。当たり前かもしれないけれど大切だと思いました。
ちなみに樺沢先生は以前の本では能力向上を目的にしている感じでしたが、この本を含め最近は「マイナスな状態からゼロに戻る」をメインとしているようで、僕としてはそのほうが好きかもしれません。
イチゼロ思考は心の調子を悪くする
心を病んで精神科医のもとに来る人は「イチかゼロか」の極端な考え方に陥っている人が多いそうです。
選択肢はふたつだけでなく、たくさんあるということを知っているだけでも、心はかなり安定するとのこと。
解決ではなく解消という言葉を使うのも、今の時点でこれならできそうだ、と少しずつでも前に進んでいけばいいと伝えたいからです。
ものごとをピンポイントで見るとイチゼロ思考に陥ってしまうけれど、ロングショットで見ればいろんな選択肢に気づけるはずです。
主観の視点で迷路を進むと迷うけど、真上からその迷路を見ればどうってことないとわかる、みたいな感じ。
言霊理論を科学的に説明する
「なんとかなるさ」を連呼していれば、実際に状況はなんとかなる。
斎藤一人さんや心理カウンセラーmasaさんの本にも書かれている、僕の好きな言霊理論。
何の説明もなければスピリチュアルな感じになって少しうさんくさいけれど「脳科学的にも正しい」と言われれば信頼性が増します。
僕にも心当たりがありますが「絶対無理、絶対無理…」とつぶやいているときと「なんとかなるさ、なんとかなるさ…」とつぶやいているときでは、脳はそれぞれ別の世界を認識するわけです。
ちなみに僕はスピリチュアルな話が普通に好きなので、科学的な知識がそこに2割ほど加われば充分かな、と思っています。
書き出すことで問題が解消していく理由
この本以外でもよく言われているのが「悩みは頭の中で考えているよりも書き出したほうがいい」ということ。
これは脳のワーキングメモリの容量にも関係があります。
頭の中だけで複数のものごとを記憶し、またそれらを使って考えようとすると、一定容量を超えるとすぐパニックになる。
うつの傾向にある人ほどその容量が少なくなるらしいからなおさらです。
言語化して書き出すことはワーキングメモリの節約につながります。
手書きのほうがいいけれど、パソコンやスマホに入力するのでも大丈夫。
書き出すことで、頭の中だけで起こっていた悩みのループから抜け出せる可能性が上がります。
終わりに
樺沢紫苑先生の本を紹介するのは、たぶん今回が初めてです。
この本のほかに個人的におすすめなのは『ストレスフリー超大全』や『3つの幸福』など。機会があればまた記事を書きたいと思います。
とりあえずは動画を検索してみて「こんな感じのお医者さんなんだな」と知っておくのがいいかもしれません。
この本を含め、オーディブルで朗読版もたくさん出ているので気になる方はチェックしてください。
樺沢紫苑著『言語化の魔力』
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