牧之内大史著『フラワーオブライフ 心と身体が変容する錬金術師たちの呼吸法と瞑想法』
キンドルアンリミテッドにて、2時間弱で読める電子書籍です。
(同名の本で2巻構成の分厚い本がありますが、そちらは現在少しずつ読み進めているところです)
FOL(フラワー・オブ・ライフ)というのは以下のような模様のことです。
神聖幾何学模様とも呼ばれます。
この本では錬金術師たちが、この模様と呼吸とのつながりを読み解いたことなどについて書かれています。
(なんとなくですが、この模様を眺めていると少し呼吸が楽になるような気がしなくもない)
自分にとって腑に落ちた部分をまとめていきます。
フラワーオブライフは循環する
フラワーオブライフの図形は循環しています。
西洋哲学では「エーテル」と呼び、東洋哲学では「空」と呼びます。
昔の錬金術師たちは「黄金をつくる」という表向きの目的の下で、世界の本当の姿を解き明かそうとしていました。
彼らはこの図形から循環をイメージしました。循環といえば呼吸。
呼吸といえば横隔膜。横隔膜は頭(思考)と腹(直感)をつなぐものであり、「ハート」と呼ぶことができます。
横隔膜を意識して呼吸することで、ハートを開くことができるのです。
アタノールの火(会陰)からパワーを得る
錬金術の道具にフラスコ(容器)とアタノール(炉)があります。
錬金術におけるアタノールを人間の身体に置き換えると、最上段の屋根の部分が横隔膜にあたります。
アタノールの中のフラスコの部分は、へその下の丹田にあたります。
そしてフラスコを熱する部分、アタノールの火の部分が会陰です。
(この本では以降、アタノール=会陰と表現しています)
息を吸いながら会陰を引き上げ、息を吐きながら全身をリラックスする呼吸を数回繰り返してみると、頭が覚醒する感じがするはずです。
ハートを開くということ
「ハート」というのは心臓だけでなく、横隔膜のあたりも含む感覚をさします。
横隔膜は呼吸のため、無意識でも動いているし、意識して動かすこともできる不思議な部分。
意識と無意識の架け橋といえるかもしれません。
呼吸はエネルギーの循環です。
うまく循環していない「滞り」の状況になると、身体や心に問題が起こってきます。
「ハートをひらく」というのは、こうした滞りを解放させ、エネルギーの循環がスムーズにいく状態になることです。
感じたくないことを感じないから問題が起こる
避けたい経験を避けることで「滞り」が生まれます。
この滞りを解消するためには、避けたかった経験を思い出しながら「アタノールに点火」します。
つまり、会陰に力をこめるのです。
すると、感じたくなかったことを、感じでもかまわないと感じられるようになり、世界の見え方が変わります。
呼吸のリセット
たくさん酸素を取り込めば良いというものではありません。
ゆったりとした自然な呼吸が、身体に心にも大切です。
線の呼吸、四角の呼吸、円の呼吸という3ステップで、呼吸のパターンをリセットしていきましょう。
線の呼吸:一本の線を縦にイメージして「吐く」と「吸う」を繰り返します。
四角の呼吸:線の端で呼吸を1〜2秒止め、その分だけ幅をイメージします。四角形をなぞるように吸って止めて、吐いて止めます。
円の呼吸:先の四角形を丸くしていくイメージ。呼吸を止めるのではなく、ゆるやかにシフトしていく感じです。
呼吸と一緒にいる「ビーウィズ」
「ビーウィズ(Be with)」と呼ばれる意識の状態があります。
たとえば呼吸を意識しているとき、呼吸している感覚そのものと、それを意識している自分がいます。
その両方に対し、同じくらいの分量で同時に意識するのです。
感覚をコントロールしようとせず、あるがままを感じながら、心の中で何度か「ビーウィズ」と言ってください。
そのうち、マインドにあった不純物がなくなっていくような不思議な状態になります。
フラワーオブライフとベクトル平衡体
球体の周りに、同じ大きさの球体を12個くっつけるとします。
それぞれの球体の中心点を結ぶと「ベクトル平衡体」という立体があらわれます。
この立体は8つの正四面体で構成されていて、それぞれの正四面体を外接する球体で囲んでみると、フラワーオブライフがあらわれます。
これが循環のもとになる象徴です。
終わりに
錬金術や幾何学のことについては軽く流したとしても、非常にためになる内容の書かれた本でした。
特に、アタノールに点火すれば(会陰に力を込めれば)イヤなことがイヤでなくなるということを知れただけでも、この本を読んだ甲斐があったなと僕は思います。
以上、キンドルアンリミテッドで読み放題の本はいろいろあるので、また良い本があったら紹介と要約をしていきます。
コメント