『小説アルケミスト』あらすじ・要約まとめ#12

読書

パウロ・コエーリョ著の小説『アルケミスト 夢を旅した少年』。

前回の記事からの続きです。

少年の心の師匠、らくだ使いの素敵な話を聞いてから程なくして、キャラバンはオアシスに到着します。

意外にはしゃぐイギリス人を横目に、少年は冷静に、今のこの瞬間に満足しながらやしの木を眺めます。

なつめやしの風景を見ながら、世界は多くのことばを話すものだ、と少年は思うのでした。

到着したキャラバンを遠くで眺める錬金術師

そのオアシスのある所に錬金術師は暮らしていました。

彼は、今回やってきたキャラバンの中に、自分の弟子となる男がいることを知っていました。

どんな男か知らないが、自分の目の前に現れればすぐにわかるという確信がありました。

錬金術というのは代々、口頭で伝承されてきているものです。

なぜならそれらは純粋な人生から成り立っていて、絵や言葉ではとらえることができないからです。

「大いなることば」は、絵や言葉に気をとられると忘れられてしまうものです。

オアシスでは武器を預けるルール

少年たちがたどり着いたオアシスは別世界のようで、まるで千夜一夜物語のようだとイギリス人は表現します。

キャラバンのかしらは全員を呼び集め、部族間の戦争が終わるまでオアシスにとどまる旨を伝えます。

オアシスで生活する場所を与えてもらえる代わり、持っている武器を預けるというしきたりがありました。

少年にとって意外だったのは、イギリス人がかばんからピストルを取り出して渡していたのとです。

ピストルは人を信頼するのに役に立つ、とまた意味深なことを言うイギリス人でした。

前兆は神様の言葉

少年は宝物のことを考えていましたが、いわゆるビギナーズラックはもはや働かなくなっていると感じていました。

焦ったりいらいらすると、神様が用意してくれたサインや前兆を見逃してしまう。

そんなふうに考えていたときに少年は、神様というワードが自然に出てきたことに驚きます。

というのも少年は、今まで前兆を食べる、寝るなどの現世的なレベルと同じだと思っていたからです。

少年はらくだ使いのおじさんの言っていたことを思い出し、焦ることなく動くべき時が来たら動こうと自分に言い聞かせるのでした。

イギリス人と少年は錬金術師を探す

少年がオアシスに住む同年代の若者たちに自分の冒険の話をしていたら、イギリス人がやってきます。

彼は錬金術師を探すのを手伝ってほしいとのことで、二人で探し始めました。

オアシスは想像以上に広くてらちがあかないので、井戸の近くに座り、そこを立ち寄る人に聞いていくことにしました。

最初に来た女性に少年が話しかけても、そんな人は知らないという回答。

ついでに自分のような黒い服の女性は結婚しているから、話しかけないほうが無難だという忠告も受けました。

イギリス人は錬金術師の手がかりがつかめず落ち込みます。

少年が「そもそも錬金術師という言葉自体を知らないのではないか」と言うと、イギリス人はそうかと眼を輝かせ、人々の病気をなおす人を探そうとなるのでした。

聞き込み調査、そして運命の出会い

こんどは男の人が井戸の近くにやってきたので、少年は病気をなおす人がこのオアシスにいないか聞いてみます。

その男は、そんな人がいるのならきっと族長でもなかなか会えないような有力な人に違いない、といったヒントになりそうな回答をしてくれます。

自分たちは正しい道すじに乗っている、とイギリス人は喜びます。

最後に、黒い服ではない若い女性がやってきたので少年はまた錬金術師について聞こうと思い、彼女に近づいていきます。

その瞬間、少年は時間が止まったように感じるのでした。

記事13に続く

パウロ・コエーリョ著『アルケミスト 夢を旅した少年

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