前回の記事からの続きです。
読みやすく、リズミカルな文章をつくるためには「句読点の打ち方」「改行のタイミング」「漢字とひらがなのバランス」を考えることが大切です。
以下、それぞれについて紹介していきます。
なおそれぞれに共通しているキーワードは「圧迫感の解消」です。
句読点は「1行にひとつ」
著者の古賀氏は、自身を「句読点の多い書き手」といっています。
というのも「1行の間に必ず句読点をひとつは入れる」というルールを、自身で設定しているとのこと。
これは1行40文字前後の、縦書きの書籍を基準にしてはいるものの、ブログ記事などにおいても大いに参考になります。
もし句読点が入らない場合は、カッコを入れるようにします。
そうすることで、視覚的にも聴覚的にも文章がリズミカルになるのです。
(ちなみにこの記事はスマホで読む人が多いと想定しているので、1行だいたい20文字前後として、なるべく1行に1個は句読点が入るようにしています)
読点の打ち方
視覚的リズムの観点からは、句読点やカッコは「物理的なスペース」としての役割を担います。
黒が並ぶオセロの中に、白が一枚まぎれ込むような感覚になるので、見た目の圧迫感がなくなります。
もっとも、読点(、)の本来の役割は、文意を明確にすることです。
- 彼が、疲れた表情で電車を待つ彼女に声をかけた
- 彼が疲れた表情で、電車を待つ彼女に声をかけた
この二つの例文において、疲れているのはそれぞれ誰かわかるでしょうか?
前者の例文では「彼女」、後者の例文では「彼」となります。
自分が意図したとおりに読点を打ったかどうか確かめるには、音読してみるのがいちばんです。
改行の効果とタイミング
改行のタイミングについて、書籍や論文などに向けた目安として、最大5行あたりをメドに改行することを著者は勧めています。
句読点と同じように、改行にも文章の圧迫感を解消する役割があるからです。
「文字がびっしり詰まっていたほうが賢そうに見える」などと思ってはいけません。
なぜなら書き手は「文章が相手にどう読まれるか」を考えなくてはいけないからです。
そして、伝えたいメッセージを強調するための簡単な方法とは……
やはり改行なのです。
当ブログは一文で改行している
ちなみにこのブログ記事では、原則として一文が終わるたびに改行し、一行ぶんのスペースを空けています。
(ネット上の記事は、だいたいみんな高速でスクロールして読むからその方がいいという、別のWEBライティング本で聞きかじったテクニックです)
それに、書籍のようにページ数を気にする必要がないので「空間」をふんだんに入れても大丈夫なのです。
また書籍でいう改行の変わりに「見出し」をつけて、息継ぎ休憩ポイントを設定しています。
漢字とひらがなのバランス
漢字を多用しすぎると、これも見た目の圧迫につながり、文章の第一印象が悪くなります。
とはいえ、ひらがなにはひらがなの圧迫感があります。
ひらがなは形状の似通った表音文字であり、ひらがなが連続すると、どこで切ったらいいのかもわかりにくくなるからです。
こんなふうにひらがなだけがつづいたぶんしょうというのは、かなりよみにくいことがわかるとおもいます。
だからこそ、漢字とひらがなのバランスを考えることが大切になってきます。
漢字そのものをキーワードとして使う
漢字というのは、文章における引き立て役にもなります。
つまり、漢字そのものが「太字で書かれたキーワード」のような役割を果たしてくれるのです。
これは漢字とひらがな・カタカナを併用する日本語の強みでもあります。
【記事06に続く】
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