今回は前田裕二さんの書籍『メモの魔力』を紹介していきます。
メモをとるという行為は単なるスキルやテクニックを超えた、生き方そのものなんだなと思えてきます。
本書自体が何度でも読めてしまうくらい面白いこと自体が、メモには魔力があるという証明にもなっている。
(書いた前田さんが自他ともに認めるメモ魔であるから)
記録しておくという目的のメモも大切ですが、ちょっとフォーマットを「前田式」と呼べるものにすることで、メモは記録から「知的生産」に進化します。
自己分析、始めました
この本に影響されて僕は(いい年こいて)自己分析を進めています。
ひとつの質問に対してノート見開き2ページを使うというガチな自己分析。
自分が使っているノートのタイプは、A5の方眼(見開きでA4コピー用紙の広さになるから自分にはちょうどいい)。
空白がたくさんあると埋めたくなってしまう性格のため、そこそこに文字で埋める感じで、テーマひとつに対し30〜40分かけています。
事実、抽象化、転用
メモの書き方についてざっくりと触れておくと、まずノートの見開き左半分に、ファクト(客観的事実)を書きます。
そしてノートの右半分にはその事実を「抽象化」したものと、具体的なアクションに落としこむための「転用」を書きます。
抽象化とか転用とか聞くと難しそうですが、最初のうちは左半分に書いた事実に対する「自分の考え」を書くみたいなイメージで大丈夫だと思います。
例えば事実として「動物園に行ったらライオン、キリン、カメやイグアナがいた」と書いたとします。
それを抽象化すると「哺乳類や爬虫類など、様々な生き物」みたいに書けて、転用としては「そもそも爬虫類ってなんなんだ? 詳しく調べたい」となる。
微妙な例となりましたが、こうやって思考をフルに働かせていくわけです。
言語化は脳をフル回転させる
ブログ記事を書く場合でもそうなのですが、モヤモヤしたものを自分なりに言語化することで、ようやくしっくりくることがあります。
言語を司るのは左脳と呼ばれてるけど、どんな言葉を選ぼうか、どんな表現にしようかなど、いろいろイメージしなきゃいけないのできっと右脳もすごく使ってます。
本を読んで「すごく面白かった」という感想を抱くこと自体は大切だけれど、もう一歩踏み込んで、何がなぜどのように面白かったのかを考えてみることで、その読書体験自体に深みが増すはずです。
また、本の内容を30分かけて説明するのと、1分で説明するのでは使う頭の部分が全然違います。
日常にも変化が現れる
メモをとり、抽象化や転用などで思考しながら書く習慣をつけることで、日常生活の様々なところで恩恵が出てきます。
まず僕自身が実感したのは、他人の話した内容を理解し、覚えておける度合いが増したということ。
メモをとっていないときでもそうなります。というのも、以前は素通りしていた内容を、頭の中で抽象化や転用を試みる場合が増えたのだと思います。
同じように、本を読んだときもこれまでより深く理解できるようになった気がします。
(著者の前田さんみたいに、本の内容を一気に抽象化して速読できるような境地ではありませんが…)
苦境から抜け出したい人もとにかく書いてみよう
この本は、ジャンルとしてはビジネス書や自己啓発に分類されるもので、メモの力ででっかい成功をつかもうといった内容です。
でも、成功とかどうでもいいから、とにかく今のこの状況から救われたい、みたいな人にもおすすめしたい本です。
現に僕が、この本にならって自己分析してみたり、自分にとって切実なテーマについてノートに2ページ書いてみたりすることで、だいぶメンタル的にもいい影響が出たように思います。
興味があるならばぜひ。
『メモの魔力』
コメント