書籍『神メンタル 心が強い人の人生は思い通り』。
強い心、すなわち神メンタルを科学的に作り出し、人生を思い通りにするための方法が書かれた本です。
前回の記事はこちらです。『神メンタル』要約してみた(前編)
今回は本書の後半部分である5章以降を要約してみました。
「思い込み」が不可能を可能にする
1マイル(1.6Km)を4分以内で走ることは不可能だと、何百年も言われてきました。
そこにロジャー・バニスターという選手が現れます。
彼は自分の記録を毎回0.0625秒ずつ縮めることを繰り返し、1954年、ついに4分を切りました。
そしたら「絶対できない」という人類の思い込みが崩壊し、4分の壁を破る選手が続々と現れたのです。
心理的な影響というのはこれくらい力があることを示す良い例です。
思い込みが生まれるメカニズム
さまざまな体験をすることで「これはこういうものなんだ」という考え方が定着します。
その考え方に基づいて世界を見るから「自分の考え方が正しい」と裏付ける情報ばかりを探すようになります。
感情や行動も考え方に影響され、ふさわしい結果が現れるため、また考え方が強化されます。
以上のように循環するのが「思い込み」のメカニズムです。
これは良い方向にも悪い方向にも作用するのです。
言葉の力によって思考を変える
考え方を変える有効的な手段として「アファメーション」があります。
アファメーションとは自分自身に対し「肯定的な言葉で宣言する」ことです。
正しいアファメーションを行ううえでのポイントとして、まずは「現実的」であること。
あまりにも現実からかけ離れていると、心の中で「それは無理」と思ってしまいます。
次のポイントは「否定語を使わない」ことです。
「タバコを吸わない」と言葉にしても、どうしてもタバコを吸っているイメージが浮かんでしまい逆効果になります。「私はノンスモーカーになった」と言うのが正解です。
一番大事なポイントが「現在完了形で宣言する」ということです。
「私はお金持ちになる」ではなく「私はお金持ちである」と言いましょう。
「もうすでにその状態である」という自己評価をインプットするのです。
臨場感のあるイメージをすることも大切です。
アファメーションを正しく行うことで、現実を変える行動を自動的に起こすようになります。
毎日の朝と夜に、30秒のアファメーションを繰り返す習慣をつけましょう。
何度も繰り返して、この内容は重要なのだと脳に認識させるのです。
「紙に手書きする」は最強
口に出すだけでなく「紙に書く」のも非常に有効です。
手書きするときに指の動作は10000種類あるらしく、キーボードでタイプするのに比べて圧倒的に多い。そのぶん脳に与える刺激が違うということです。
また、紙に書いた目標を貼り出せば毎日目にすることになり、自分の目的地を忘れなくなるという効果もあります。
やめるべきことはやめる
アファメーションを繰り返す習慣を新しく作るのと同じくらい重要なのが「やめるべきことをやめる」ということです。
自分の目標につながらない思考、選択、行動をやめるのです。
まずやめるべきなのは「自分にはできない」という思考。
この思考と言葉を使っている限り、できないと思える理由がどんどん見つかってしまいます。
使う言葉を変えるだけで、自分に入ってくる情報はガラリと変わります。
次の5つの言葉を「禁止ワード」としてください。
「でも」「だって」「わからない」「難しい」「できない」
不安や緊張は抑えるのではなく「認めてあげる」
「死なないこと」を最優先する脳は、変化しようとするとさまざまな形で抵抗します。
不安や緊張などのネガティブな感情を与えたりします。
これらの感情は、気持ちを安定させるセロトニンの分泌量が低下することで感じやすくなります。
不安や緊張でストレスを感じることによりセロトニンの分泌が減り、さらに不安や緊張が高まる…
ここから抜け出すには、不安や緊張を積極的に認めることが大切です。
無理に感情を消そうとしても逆効果なので「不安になっても、緊張しても、別にいいんだよ」と認めてあげましょう。
頭の中だけで考えず、書き出す
他人の悩みならうまくアドバイスできるけど、自分のことになると難しくなる、という性質が人間にはあります。
理由は「頭の中だけで考えようとするから」で、どうしても同じ問題を何度もリピートさせてしまうのです。
よって頭の外で考える必要があり、方法は「紙に書く」こと。
書き出してみると、頭の中で考えていたほど問題は多くないことがわかり、気持ちがかなり楽になるはずです。
(僕の実感として、スマホに入力するだけでも効果があります。紙が近くにない場合はスマホを使いましょう)
次のステップとして、紙に書きながら「相談する自分」と「アドバイスする自分」とで会話してみてください。
そうすることで状況を客観的にとらえ、解決策を見つけやすくなります。
メタ認知能力を鍛えて感情をコントロールする
状況を客観的にとらえるのを「メタ認知」といいます。自分を第三者の視点から観察する力です。
メタ認知能力を鍛えるための最も簡単な方法は「鏡に映る自分を見る」ことです。
「鏡の中の自分は、自分だけど自分ではない」と脳は認識するらしいので、鏡の中の相手に話しかけるだけでメタ認知能力は鍛えられます。
ただし、くれぐれも周りに人がいないことを確認してからこの訓練をしてください。
負の感情の対処法は「何かに没頭する」こと
怒りや悲しみなどネガティブな感情は、大切な何かを気づかせてくれるものでもありますが、いつまでも引きずっているわけにもいきません。
ネガティブへの対処法はポジティブではなく「何かに没頭する」ことです。
というのも、感情にとらわれているときは、今を生きていないからです。今に意識がないと感情はグラつきます。
「何かに没頭する」とは「今を生きる」ことなのです。
自信がない気持ちを攻略する
日本人は諸外国の人に比べると、自信があると答える人の割合が少ないといいます。
うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組めるかどうかは、自信が大きく影響してきます。
自信は生まれつきのものではなく、自分で作り出せます。
些細なことでいいから「できた」と自分で思える経験を積み重ねるのです。積み重ねが自己効力感を育てていきます(この段階を一次自信といいます)。
同時に自分のことがよくわかるようになっていき、よい部分も悪い部分も含めて自分を愛せるようになる、つまり自己肯定感が上がります(この段階を二次自信といいます)
二次自信まで到達すると、自分の未来を思い描けるようになり、実現のために必要なことを意欲的にできるようになるのです。
安心と安定は違う
安定して暮らすことが本当の安心につながるとも言い切れません。
変化や刺激のない毎日が続くと、世の中から置いていかれるような気持ちになるかもしれません。
「承認」「挑戦」「つながり」という欲求感情が満たされたときに、人は本当の「安心」を感じることができます。
自分で自分を認めることができ、何か小さなことでもチャレンジし、信頼できる仲間や家族の存在を感じられてこそ「安心」という感情は満たされるのです。
神メンタルは最高の「反射」から生まれる
普通の人と神メンタルを持つ人の違いは「反射」にあります。
何かが起こったり、何かを言われたりしたとき機械的にどう反射するかが違います。
神メンタルを持つ人を悪口を言われたりしてもまず「ツイてる」とか「ありがたい」と反射します。
そして自動的にその出来事の「ツイてる部分」や「感謝すべき部分」を探し始めるのです。
起きた出来事に対して意味づけをすることを「フレーミング」といいます。
神メンタルを持つ人は特別に強靭な精神力を持っているわけではなく、あらゆる出来事に対し考えることなく自動的に、よいフレーミングをしているのです。
反射的にそのようなフレーミングができるようにするためには、「ツイてる」「ありがとう」といったよい言葉を口癖にしてしまうのが一番です。
自分が気持ちいいと思える言葉を毎日、何百回でも何千回でもひたすら声に出して言いましょう。
人間の脳は、自分で設定した理由を探す力があります。
例えば「ツイてる」が口癖になるくらいになれば、自分がツイてる理由を自動的に探すようになるので、どんな状況でもチャンスを見いだせるのです。
覚えたことを忘れないために
読んでいる途中でも「実行したい」と思ったらすぐその場でやってしまうことが大事です。
本を全部読み終えるまで待つ必要はありません。読み終えたころに忘れてしまうくらいなら、読むのを一旦中断してアクションを起こしましょう。
また、知識量が豊富にあっても、ただ知っているだけでは意味がありません。
「知っている」の次の段階は「できる」で、持っている知識を使いこなせる状態です。
「できる」の次の段階が「教えられる」。
本書で得た知識を人に教えましょう。教えているうちに自動的に、本書に書かれていることを自分で実践するようになります。
自分だけの幸せを追い求めよう
お金だけでは幸せになれません。
自分がどの瞬間に「幸せだ」と感じられるかをしっかり見極めましょう。
誰か決めたような成功や幸せを追い求めてしまわないように。
自分の幸せの軸から目をそらさないことが大切です。
終わりに
「苦労しないと成功できない」は完全な思い込みです。
はたから見たらものすごい努力や行動をしているように見えても、当の本人は別に努力していると思っていなかったりします。
なぜなら先に目的地を定めて、ふさわしいメンタルを作っているからです。
以上がこの本の要約になります。
やはり大事なのは以下の公式。
現実(未来)=①目的地 × ②手段 × ③メンタル
そして手段は考えなくても勝手に決まるということです。
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