『究極のマインドフルネス』要約してみた(3)

瞑想

メンタリストDaiGo著『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』。

数回の記事に分けて要約してきました。今回が最終回で、本書の4~5章をまとめていきます。

前回の記事はこちらです。『究極のマインドフルネス』要約してみた(2)

本書では自分をマインドフルネスに導くための心理学やテクニックがたくさん紹介されています。

かいつまんだつもりでもかなり長くなってしまいましたが、目次から興味がある部分だけでも読んでみてください。

弱みを強みに変える

例えば「衝動性が高い人は創造性も高い」というデータがあります。

この知識があるか否かで、人間の創造性は違ってきます。

衝動性と創造性の相関関係を教わったグループは、そうでないグループよりもクリエイティビティが発揮されたとのことです。

このように、弱みと強みは表裏一体であることを知れば、自分をコントロールしやすくなります。

例を挙げていくと、

  • 怒りっぽい → 勇気を出しやすい
  • 怖がり → しっかり準備できる
  • 恥ずかしがりや → 謙虚
  • マイナス思考 → 物事を現実的に見れる
  • うつになりやすい → 分析に向いている
  • 新しいことが苦手 → 継続力がある
  • 罪悪感を抱きやすい → 倫理観が強い

これらの例のように、悪く見える面の裏には良い面が隠れています。

自分の欠点を把握し、その裏にある強みを理解し、活かせるようにしましょう。

自分の失敗に対する抵抗をなくす

失敗許容力を鍛えることで、失敗しても大丈夫だと思えるようになります。

失敗したときに何が起こるかわからないから恐怖を感じるのです。

起こりうることをある程度でも想定できれば恐怖が減り、失敗しても大したことがないと思えるようになります。

自分が何を恐れているか、人に打ち明けたり、紙に書いたりするのが良いです。

人生は失敗したらゲームオーバーではなく、何度でもコンティニューできます。

失敗から学び、楽観的に考えて小さな改善を積み重ねていきましょう。

落ち込んだ気分をすぐに直さなくていい

まずは「落ち込んだ気分を利用する」という発想で行動しましょう。

人は気分が沈んでいるとき、普段より注意力が高まっているといいます。

その状態を活かせば、細かいところに目を向けられるのだと考えるのです。

逆にポジティブな気分のときは、大局を見る力が上がっています。

どんな気分も上手に利用することが大事なのです。

ちなみにメンタルを安定させたいなら「エクスプレッシブライティング」がおすすめです。

今の自分の感情をひたすら紙に書き続けるという方法です。8~20分くらいやるのが良いとのこと。

恐怖心を想像でリセット

恐怖をともなう記憶からは逃げようとするより、あえて向き合うことでリセットするという方法があります。

「消去学習」と呼ばれている方法です。

例えば火事がトラウマで、焦げたにおいがトリガーとなりパニックになる人に対し、あえてそのにおいを嗅がせます。

「焦げたにおいがしても危険はないんだ」ということを繰り返し慣れさせることで、トラウマを消していく、という要領です。

このように恐怖のトリガーに気づき、あえてそのトリガーを想像することで、恐怖を乗り越えていけるのです。

対話不安を克服する方法

コミュニケーション能力が高いというのは、単に外交的だとか話し上手だということではありません。

対話不安への対策がうまくいっているということです。

人から嫌われたくなかったり、無駄話に付き合いたくなかったりと、さまざまな不快感があります。

人とコミュニケーションをとるとき、これらの不快感は避けられないものとして受け入れましょう。

ほんとうのコミュ力を持っている人たちは、これらの不快感への対処が上手です。

対人関係において、感情をうまくコントロールできます。

相手が意外な面を見せるといった状況でも、ポジティブな対応ができるのです。

ストレスを味方につけて幸福度を上げる

安心感を得たいなら、変化に対応していく力をつける必要があります。

変化していこうとすることと、変化を拒むことの両方にストレスが存在します。

どちらにしてもストレスなら、前者のストレスを受け入れ、前に進む力に変えていくべきです。

不安を感じてドキドキする場合は、体に血液がめぐってエネルギーが作られているんだと考えましょう。

適度なストレスは、やりがいや生きがいを与えてくれます。

筋トレにおいて、ちょっとキツいと思わないと筋肉がつかないのと同じです。

ストレスにどう向き合うかで、分泌されるストレスホルモンの種類までもが変わってくるらしいです。

不安をモチベーションに変える

不安は「自分に何かしらの行動をうながす」というポジティブな側面をもっています。

また、不安を感じることによって、見逃していることに気づけたりもします。

このように「不安感は自分の役に立っているんだ」と考えましょう。

できれば「何がどのように不安なのか」まで把握できたほうが良いです。

メンタルクリアボタン

不安をしずめるための面白いテクニックが、以下に紹介するメンタルクリアボタン。

  1. 片方の手のひらにボタンがついているとイメージする。
  2. このボタンは脳に直結していて、押すとネガティブな感情が止まるとイメージ。
  3. ボタンをイメージしたまま呼吸に意識を向ける。
  4. 呼吸しながらゆっくりボタンを押す。
  5. 1呼吸目でボタンが赤く光り、2呼吸目で青に変わり、3呼吸目で緑に変わるイメージをする。

以上の手順を行うと、不思議と不安が和らぐはずです。

これは、いろいろイメージしたり数字を数えたりと理性を働かせているうちに、不安から気がそれるという原理です。

お坊さんとサイコパスの共通点

仏教の僧侶と、サイコパスは「過去への後悔および未来への不安が少ない」という共通点があります。

どちらの人間も「いま、ここを生きる」という考えが強いのです。

両者は脳の前頭葉前半部の働きが似ています。目の前のことに集中できる、いわばマインドフルネスの状態にあるといえるのです。

サイコパスな人たちは、道を間違えれば犯罪者になりますが、うまく時代に乗れればリーダー的存在になるのも、こういった特性があるからです。

サイコパスの良い側面だけを取り入れる

プレッシャーに強くて不安が少なく、目の前に集中できるというサイコパスの役立つ思考を「ファンクショナル・サイコパス」といいます。

このようなサイコパスの良い側面だけ取り入れるための方法として、

  1. ポジティブな感情に集中する
  2. 瞑想する
  3. 感情と行動を分離する

の3つがあります。特に3つ目「感情と行動を分離する」ことができれば、余計な感情に左右されず、思い切った行動に出られます。

ネガティブな感情に振り回されたり、他人からどう思われるかを気にしたりしなくなれば、本質的なものと向き合えます。

感情をおさえるのではなく、客観的に観察することで、今の自分にとってベストな選択や行動ができます。

だからこそマインドフルネスが大切なのです。

瞑想のコツ

瞑想のポイントは3つです。

①姿勢を正す。横隔膜の動きが大きくなり、呼吸しやすくなります。

②ゆっくり呼吸する。例えば4秒吸って、8秒吐くといった具合です。

③注意をコントロールする。呼吸に集中 → 注意がそれる → 気づく → 再び呼吸に集中 … の繰り返しです。

瞑想は1日10~20分でもいいので、地道に毎日続けることが大事です。

やればやるほど1回あたりの効果が上がるといいます。

なにか作業を切り替える瞬間、コーヒーブレイクの合間に1分間だけやるのもおすすめです。約5回の呼吸分だけ瞑想にあてるのです。

歩行瞑想も同じくらい効果がある

歩くことに全力で集中する歩行瞑想も、座って行う瞑想に負けない効果があるらしいです。

呼吸のことは気にせず、ゆっくり歩きながら以下の感覚に意識を向けます。

  • 右足が地面から離れる → 前に出る → 地面に着く
  • 左足が地面から離れる → 前に出る → 地面に着く

ゆっくりやるようにすれば、狭い部屋でも5~10歩を往復する要領でできます。

右足、左足と注意をコントロールする感覚をつかみましょう。

座る瞑想も歩く瞑想も「外から眺める感覚をもつ」のがコツです。

ヨガはストレスやトラウマに利く

締めくくりとして、昔からメンタルにいいと言われてきたヨガについて紹介します。

ヨガはストレスやトラウマ、うつを和らげる効果があることが実証されています。

また肩こりや腰痛は、実際は脳の問題であることが多く、これもヨガによって改善されることがあるとのことです。

Youtubeなどの動画を見て、簡単なヨガを始めてみるのもいいかもしれません。

終わりに

以上となります。要約するにあたり、科学的根拠や実証データなどの記述をほとんど省略しています。

本書を実際に読むと「○○大学でこんな実験をした結果…」というような説明が大体のところでされていて、説得力があります。

僕は自分にとってピンときたもの、こないもので判断することが多いので、それで要約に偏りが出ているかもしれませんが……。

役立つ情報が満載の本でした。

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