1980年公開『シャイニング』
この記事は、まだ映画を観ていない人でも安心して読める内容になっています。
まず、ホラーが本当に無理であれば本作は観ないほうが無難です。
主演のジャック・ニコルソン氏はもう顔面がホラーですが……。
僕も怖いものは苦手ですが、この映画はどうしても気になって、部屋を明るくしてがんばって最後まで観ました(いったい何をがんばったのか)。
確かに怖かったですが、それ以上に映画としてすごい作品だと思います。
左右対称なホテルの廊下に、左右対称な双子の女の子が立ってたら、もう理屈ぬきでコワいです。
以下、ネタバレにならない程度に紹介していきます。
わざわざホラーを観た理由
そもそも僕がなぜこの『シャイニング』を観ようと思ったのか、理由は2つ。
まず『2001年宇宙の旅』を観て、キューブリック監督の手がけたほかの作品も気になったからです。
そしてスピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』のなかで、『シャイニング』が大々的に取り上げられていたから。
普段の自分であれば、このようなホラーとわかってる映画は観ないのですが「いまの勢いならいける!」と思ったわけです(なんの勢いなのか)。
いわくつきホテルの管理人に
舞台はアメリカ、コロラド州の山奥にあるオーバールック・ホテルです。
最初のほうは、山道の景色の美しさに浸ることができます。
同時に、これから外界から遮断された場所で過ごすことになるのが示唆されます。
主人公のジャック氏は作家ですが、冬の間、閉鎖しているこのホテルを管理するという仕事を請け負いました。
奥さんのウェンディと、息子のダニーとの3人で、ホテル内で冬を越すことになったのです。
不吉なものを感じる能力
支配人はジャック氏に、前の管理人は精神を病み、家族を斧で殺害したあとに猟銃で自殺したということを話します。
でもそのときはジャック氏、特に意に介しませんでした。
息子のダニーには第六感のようなものがあり、このホテルで起こった過去のことや、近い未来に起きることを感じ取る能力があります。
ホテル管理の引継ぎのとき、ダニーと仲良くしてくれた料理人のハロラン氏にもそのような能力があり、「シャイニング」と呼んでいました。
ダニーはこのホテルに不吉ななにかを感じ、双子の少女などのビジョンをたびたび目にすることになります。
あと237号室は特にいわくつきのようで、ハロラン氏も何か感じるらしく口をつぐむのでした。
日に日に狂気に侵されていく
ホテル管理の仕事を始め、最初の1ヶ月くらいは家族で平和な日々を過ごします。
ただ、もともとアル中の気があるジャックは、ホテルで執筆業に専念しようとしたもののなかなかうまくいかず、奥さんに当たるなど、少しずつおかしくなっていきました。
ホテル内にただよう狂気に自分も毒されたのかもしれません。
さらに日が進み、ホテルの外は雪に覆われ、電話もつながらない状態になります。
ダニーは自分たち以外の何者かにケガをさせられるわ、旦那もなんかヤバいわで、奥さんのウェンディはこのホテルを離れたほうがいいと思い始めるのでした。
終わりに
この映画はあらゆる場面でのカメラワークが、じわじわと恐怖をかきたてる感じになっています。
40年前の映画だというのに、さほと古臭さを感じないのは、きっと普遍的ななにかがあるからでしょう。
最後にもうひとつ、予告編でも「レッドラム…レッドラム…」とつぶやくシーンがありますが、スペルは「REDRUM」で、これを鏡に写すと「MURDER」すなわち殺人になります。
鏡の向こうがいわば「あちらの世界」で、ダニーにはそれが最初から見えていたわけです。
以上、観たのが夜中とかじゃなくてよかった映画でした。
気になる方はAmazonプライムやU-NEXTなどでぜひ。
キューブリック監督『シャイニング』
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