S・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』
タイトルを日本語にすると『プレイヤー1名、準備いい?』みたいな意味になります。
なので、レディじゃなくてレイディにしたほうがよかったのではないかと個人的には思います。
それはさておき、この映画をまだ観ていない方でも、以下を読み進めても大丈夫です。
久しぶりにスピルバーグ監督の作品を観たのですが、やっぱり偉大だと思ったのが素直な感想。
現実世界ではパッとしないオタクの少年(といっても若い頃のゲイツ氏とかジョブズ氏みたいな感じ)が、VRのゲーム空間で大活躍する話です。
この映画を観ると「ゲーム」に対する見方が変わります。
もともとゲーム大好きな人は、現実との距離感を大切にするようになるはずです。
VRゲーム「オアシス」が人気の2045年
時代は2045年のアメリカで、サイバーパンクな感じの貧民街に主人公ウェイドは住んでいます。
地球全体がこんな様子というわけではなく、貧富の差が広がった社会ということ。
人々の楽しみはゴーグルを被って「オアシス」というゲームをプレイすることで、ウェイドもオアシスに熱中していました。
「オアシス」はもう一つの世界さながらで、その空間では自分の姿形を自由に設定でき、現実と違ってやりたいことができるのです。
この「オアシス」の創始者がハリデーという人物で、ウェイドにとって彼は憧れの存在でした。
創始者が隠した鍵を探す
ハリデーの死後、ゲーム内に3つの鍵を隠したという遺言が公開されました。
その鍵を見つけた者には「オアシス」を所有権と5000億ドルが手に入るということで、みんながこぞって探します。
大企業のIOI(アイオーアイ)も組織ぐるみで活動していて、その人員たちはシクサーズと呼ばれていました。
パーシヴァル(ウェイドのハンドルネーム)やゲーム内での親友エイチは、その鍵のひとつが手に入ると言われているレースゲームに参加します。
しかしこのレース、途中で恐竜やらキングコングやらが邪魔してどうしてもクリアできません。
パーシヴァルはレース中、シクサーズ狩りで有名な女性、アルテミスを助けたことで知り合いになります。
ここでゲーム内での顔しか知らないのに、彼女に惚れ込んでしまうわけです。
ゲームと現実が交錯する波乱の展開
オアシス内でのハリデーの資料館にてヒントを得たパーシヴァルは、裏技じみた手法でレースゲームをクリアし、鍵入手の第一号となります。
しかし、それに目をつけたのがIOIの社長、ノーラン・ソレント。
彼もゲームアカウントは持っているものの、考え方は至極ビジネスライクで、主人公たちと気が合うはずもありません。
ソレント社長はゲーム内で、知り合いの殺し屋アイラックを雇います。
悪役ながらなんとなく憎めないキャラです。
(オアシス内で死亡すると、これまで貯めていたゲーム内のお金やアイテムを失うことになる)
現実でもウェイドは個人情報を知られてしまい、ソレントの脅迫にも応じないため、リアルに命を狙われることに。
胸が熱くなる小ネタ満載
以上、序盤でのあらすじをざっくりと紹介しました。
中盤では、ゲーム内で仲良しだった面々と、実際に対面することになります。
また、この手の作品ではお約束とも言える、「現実だと思ったらまだゲームの中だった」演出もちゃんとあって鳥肌ものでした。
そして、西洋東洋の特撮やアニメ・ゲーム好きの人々が泣いて喜びそうな、見せ場や仕掛けがたくさん出てきます。
メカゴジラ対ガンダムの場面なんかは「すげぇ…」とつぶやいてしまったほど。
探せば探すほど「こんなところにこれがいる!」が見つかりそうです。
(個人的に嬉しかったのは、HALOのマスターチーフがいた点と、ロボットがマグマに消えるときに片手でグーサインをする『ターミネーター2』のオマージュ、そして波動拳)
終わりに
これくらい情報量が多いと、収集がつかなくなってしまいそうなのに、意外にそうでもないのがこの映画のすごいところ。
素直に「あぁ、面白かった」と、観終わった後はすっきりとした感覚が残りました。
あとは作中で重視されてたキューブリック監督の『ザ・シャイニング』、まだ観たことないので気になるところです。
以上『レディ・プレイヤー1』、タイトルとジャケットだけみた第一印象はB級映画だったのですが、中身は特A級でした。
誰もがきっと、自分にとって思い出深いキャラに出会える宝箱のような映画です。
AmazonプライムやU-NEXTでぜひ観てみてください。
スピルバーグ監督『レディ・プレーヤー1』
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