クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』
バットマン三部作にあたる第二部が本作です。
この記事は、まだ観ていない人でも安心して読めるような内容になっています。
一応、前作『バットマン ビギンズ』を観たことがある読者を想定しています。
とはいえ、この『ダークナイト』はひとつの作品として完成されていて、前後の話はそこまで気にしなくても大丈夫です。
2時間半くらいの大作なので、これから3分で予備知識をつけておけば、より映画を楽しめるはずです。
前作からの登場人物
メインキャラの役者は前作から引き継がれていますが、ヒロイン役のレイチェルだけ女優さんが変わってきます。
いろいろと事情があったのでしょうが、これはしょうがないと割り切るしかありません。
主人公ブルース・ウェイン(=バットマン)の執事アルフレッドや、役員のフォックス(モーガン・フリーマン)は健在です。
2人ともブルースを支える役として、確かな存在感を示しています。
前作からいるキャラの中でも特に大活躍をするのが、警察のゴードンさんです。
名悪役ジョーカー
この『ダークナイト』の感想を一言で表現しろといわれると、結局こうなります。
「ジョーカーが、ヤバかった」
もともと自分の語彙力にそれほど自信がないのですが、このジョーカーほど「ヤバい」という言葉がふさわしい人物はいないと思います。
冒頭では銀行強盗グループの一員として登場し、平気で仲間を裏切るので、まず「ひどい奴だ」という第一印象が入ります。
物語が進むにつれて、その印象が次から次へと塗り替えられて、もうただの悪党ではないヤバい奴ということになります。
ちなみにジョーカー役を演じきった天才的な俳優さんはヒース・レジャー氏で、まだ若いのに映画公開前に亡くなったそうです。惜しい。
検事ハービーもかなりのキーマン
レイチェルの新恋人(?)でもある検事ハービー・デントも、この物語における非常に重要なキャラです。
ハービーは検事として、ゴッサムシティの犯罪撲滅に力を尽くす真面目な人物。
ブルースも彼のことを皮肉なしで評価し、バットマンの代わりにゴッサムシティのヒーローとして活躍してくれることを期待しています。
というのもブルースは、バットマンとしての活動にちょっと限界を感じはじめていました。
犯罪の抑止力として、恐怖の存在を目指していましたが、中途半端な偽バットマンが出てくるわ、ジョーカーみたいな奴が出てくるわで「ほんとに自分のやってることは意味あるの?」みたいな気持ちになっていたのです。
(執事アルフレッドは励ましてくれますが)
いろんなタイプの「悪」
あと中国人実業家のラウなどが、お金にこだわるタイプの悪役として登場します。
彼や、ゴッサムシティの他のギャングたちを引き合いに出すことで、お金のこともどうとも思わないジョーカーがいっそう際立ちます。
ジョーカーの目的は秩序を破壊することそのものなのか、つかみどころがなくて捕まえる側も大変です。
それに自分自身で手を下すほかに、人々の弱みをうまく利用するあたりもかなり不気味です。
終わりに
以上、アクションシーンもすごいのばかり(しかもCGをあまり使っていないらしい)ですが、人間というものについてもかなり考えさせられます。
バットマンという有名キャラに頼らない(むしろヒーローの存在意義についていろいろ悩まされる)、いい映画です。
あとはAmazonプライムやU-NEXTなどを利用し、ご自身でぜひ観てみてください。
クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』
コメント