今回紹介するのは「54321法」です。
5万4千……ではなく5・4・3・2・1法と読みます。
サイエンスライター鈴木祐氏の『無』という本でも紹介されている、不安解消メソッドです。
ざっくりいうと、見えるもの、肌で感じるもの、音、匂い、味を確認していく作業となります。
「こんなことして何の意味があるの?」と思うかもしれません。
でもこれは、エックハルト・トール氏が『ニュー・アース』などの著作でいう「いまに在る」ための、具体的な実践方法だと僕は考えています。
大げさに言ってみたものの、方法はとてもシンプル。以下より説明していきます。
目に見えるもの
まず最初に「目に見えるもの」を5つ、見つけます。
見えているものならなんでもいいのですが、普段の自分だったら意識しないもののほうがよいでしょう。
部屋の中だったらテレビ、机、冷蔵庫、壁の模様、などなど。
もうないぞと思ったらスマホや自分の手をカウントすれば大丈夫です。
54321法の「5」は、視覚の確認です。
肌で感じるもの
次に「肌で感じるもの」を4つ、感じとります。
足の裏の感覚、椅子に触れるお尻の感覚、服が肌に触れる感覚、吸う息が入っていく感覚など、意識してみればいろいろあると気づけるはずです。
これも普段は気にも止めないところに焦点を当てるのがよいですが、よくわからないときは「右手、左手、右足、左足」の順に意識を向けるだけでもよいでしょう。
54321法の「4」は、触覚の確認です。
耳に聞こえるもの
3つめとして、「聞こえるもの」を3つ探します。
音楽も何もないところでも、換気扇の音とか、機械の発する音とか、耳をすませばいろいろあるはずです。
気づいたものを声を出して確認するのもよいし、その場合は自分の声そのものを聞こえるものとしてカウントすればOK。
目を閉じてみると「世界はさまざまな音で満ちているものだな」と、しみじみ感じるかもしれません。
54321法の「3」は聴覚の確認です。
におい、味
そして「におい」を2つ感じ取ります。
これはなかなか難しいかもしれません。
僕のよくやる方法としては、まず自分の服のにおいを少し嗅いで、その後普通の空気の香りを感じます。
最後に「味」を1つ感じましょう。
手元にコーヒーなどがあればそれを味わってみればいいし、ない場合は唾液を飲み込んでみます(ほとんど味しないけど)。
54321法の「2」は嗅覚、「1」は味覚の確認です。
マインドフルネスそのもの
以上が「54321法」の手順です。
最初はこの順番(視覚→触覚→聴覚→嗅覚→味覚)が記憶しづらいかもしれませんが、一度覚えてしまえばあとは簡単です。
僕の体感では、やればやるほどその効果を実感できます。
この方法は仏教やマインドフルネスに深く関係があるというか、むしろそのものではないかと僕は思っています。
自分というのは無数の感覚の集合体としてできている、ただの錯覚にすぎない、みたいなことが、なんとなく理解できるようになります。
終わりに
不安で落ち着かなくなったり、なんとなく憂鬱になったりするなら、まずこの54321法を試してみてください。
一時しのぎとしての効果も充分にあるし、練習を重ねればきっと自分を変えることにもつながっていくはずです。
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