クリストファー・ノーラン監督『インターステラー』
面白さも異次元レベルのSF映画です。
この記事は、映画をまだ観ていない人も安心して読める内容になっています。
3時間近くある長い映画ですが、うまく入り込めれば時間を感じさせずに最後まで観ることができるはずです。
そして、うまく入り込むためにも、3分間ほど費やしてこの記事で予備知識を得ておくことをおすすめします。
時代設定と主人公クーパー
時代は定かではありませんが、おそらく数十年後の近未来です。
地球は環境の悪化を止めることができず、農作物も砂嵐や疫病の影響でだんだんと育たなくなっていました。
主人公のジョセフ・クーパーは2児の父親で、奥さんを過去に病気で亡くしています。
現在は農業を営んでいますが、もともとはNASAのテストパイロットでした。
10年ほど空中をさ迷っていた無人の小型飛行機を無線で捕まえたり、学校での保護者面談で教師と揉めたりと、冒頭からおもしろい人物であることがわかります。
超常現象を解読する
クーパーの息子が高校生くらいのトム、娘が小学校高学年くらいのマーフィー(通称マーフ)です。
おじいさんも合わせて4人で暮らしています。
トムが比較的素直なのに比べてマーフはやんちゃな感じの性格ですが、聡明でとても可愛らしく、二人とも親からすごく愛されてます。
最近、マーフの部屋で本が勝手に落ちるなど、ポルターガイストのような現象が起こるとのこと。
しかも本が落ちた後の本棚の隙間を、モールス信号として解読できたとマーフは語ります。
クーパーはそんな娘の話を頭から疑うことなく聞いていました。
そこに、ある日激しい砂嵐に見舞われ、マーフの部屋も砂まみれになります。
今度は床に落ちた砂がバーコードのような形をとったので、クーパーはそれを解読したのです。
見つけた施設で知らされたこと
砂の模様はバイナリデータ(二進数)で、とある場所の座標を示すとみたクーパーは、車でその地点まで行ってみることにしました。
すると、地図には何も載ってないのに実際には極秘の研究施設があり「なぜここがわかった」と質問攻めに。
そこはすでに解体されてしまったはずのNASAであり、「ラザロ計画」が秘密裏に進められていました。
話によると土星の近くにワームホールが出現していて、別の銀河系につながっているとのこと。
その向こうには生き物が住めるかもしれない惑星がいくつかあり、これまでに12人が各自、先遣隊として向かいました。
そのうちの3人、つまり3つの惑星から信号が返ってきているので、実際に行ってみて本当に人が住めるかどうか確かめる必要があるのです。
ちなみにワームホールは自然発生するようなものではなく、それを作ったのは五次元の存在だとされ、NASAでは畏敬の念を込めて「彼ら」と呼ばれています。
プランAとプランB
宇宙飛行士として選ばれているのはアメリアとニコライとドイル、そこにクーパーが加わります。
プロジェクトを進めるのはアメリアの父、ブランド教授で、彼はラザロ計画に「プランA」と「プランB」があることを説明します。
「プランA」は、人間が生きていける惑星を発見後、大規模な宇宙ステーションをつくって地球の人々を移住させる計画です。
対して「プランB」は、保管されている受精卵を、人が住める惑星で人工培養させる計画。
地球の環境は今後も悪くなる一方なので、プランBだと地球の人々を見捨てることになるわけです。
プランA、なかでも宇宙ステーション実現のためには重力をコントロールする必要があり、ブランド教授はそのための理論をほぼ確立しています。
ただし、あと必要な情報はブラックホールの向こう側にあり、これは実際にブラックホールに入ってみないとわからないのです。
終わりに
「必ず、帰ってくる」と、家族に別れを告げるクーパー。
特に娘マーフとのやりとりには、もう号泣するしかありません。
物凄くシリアスな展開ばかりですが、笑っていいのかわからないジョークを連発する人工知能ターズ(TARS)には癒されます。
以上、物語序盤の部分を解説してきましたが、続きが気になる方はAmazonプライムやU-NEXTでぜひ観てください。
クリストファー・ノーラン監督『インターステラー』
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