パウロ・コエーリョ著の小説『アルケミスト 夢を旅した少年』。
もう何度読んだかわからないくらい読んでます。
この小説は、めくったページに必ず名言や格言があるような内容で、これから僕が書いていくような記事を読むヒマがあったら実際の小説を読んだほうがいいのかもしれません。
それでも、ざっくりとしたあらすじと名言をまとめていくことで、自他ともに何かの役に立つと思ったので書いていきます。
数記事に渡ってまとめていきます。
少年と羊たち
羊飼いの少年(サンチャゴという名前だけれど以降は少年としか呼ばれない)は、とある教会の廃墟の、いちじくの木の下で一夜を過ごしました。
少年はそこで、先週と同じ夢を繰り返し見ます。
目覚めた少年は日々のルーティーンワークとして羊たちを起こしてまわりました。
彼は羊たちに話しかけるのも習慣としていましたが、ここ最近話すのは四日後に到着予定の村に住む、呉服屋の娘のことばかりでした。
黒髪の少女
その少女に初めて出会ったのは一年前のこと。
本の読める羊飼いの少年を珍しがって、少女のほうから話しかけたのでした。
「ふだんは本より羊の方からもっと学ぶんだよ」と少年は黒髪黒目の少女に話します。
二時間ほど二人は話していて、少年はこの少女とずっと一緒にいたいと思ったのでした。
しかし、待たせたなと言わんばかりに少女の親の商人が現れ、夢のような時間は終わります。
勝手に動く思考
少年はこの一年前のことをよく覚えていましたが、少女のほうはというと彼にたぶんそこまで気はありません。
少年はそのことをだいたい理解していて「他の場所にも少女はいるのだから」と自分に言い聞かせます。
内心穏やかではないところ、羊たちは何も考えずにただ食べ物と水にだけ興味を示しています。
そんな羊たちの様子にちょっとイラっとしたのか、少年の中に残忍な考えが芽生えます。
これから毎日一頭ずつ殺していっても、羊たちはほとんどの仲間が殺されてから、やっと気づくんだろうな…。
そこで少年は我に返り、ひどいことを考えてしまったと反省します。
かかえている上着の重さに文句を言いたくなったけれど、この上着のおかげで明け方の寒さをしのげるのだと思いなおしました。
少年の人生の目的
上着の目的は寒さをしのぐことで、少年の人生の目的は旅をすることでした。
彼が本を読めるのは、16歳まで神学校にいたからです。
両親は彼を神父にしたいという願望がありましたが、彼にとっては神のことよりも広い世界についてのほうが重要でした。
だからある日、少年は父親に、自分は神父にはなりたくなくて、旅をしたいのだと打ち明けたのです。
父親もほんとは旅をしたかった
父親は少年に、旅をしても結局もともと住んでいた故郷が一番いいなという結論に達するだけだ、という風に説得を試みます。
そして「私たちの仲間で、旅ができるのは羊飼いだけだ」と言ったら息子は「では、僕は羊飼いになります!」
即答されてしまったので、父親はもはや何も言うまい、となります。
翌日に父親は昔、野原で見つけたという金貨三枚を少年に渡し「これで羊を買いなさい」と羊飼いになることを認めました。
父親も、旅人になりたかったという望みが心の奥にあり、家と安定した生活と引き換えにそれを諦めていたのでした。
自分の夢を生きる日々
少年は父親とのそんな会話を思い出し、幸せな気持ちになりました。
彼にとって大切なのは、日々、自分の夢を生きることができることでした。
羊たちは相変わらず、食べ物と水のことしか考えていないけれど、人間も同じかもしれないと少年は思います。
というのもここ数日のあいだ、彼は商人の娘のことばかり考えていたからです。
タリファの町に着く予定時刻を計算しているうちに、少年はその町に夢を解釈してくれる老女がいることを思い出しました。
【記事02に続く】
パウロ・コエーリョ著『アルケミスト 夢を旅した少年』
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