前回の記事からの続きです。
今回からは、文章を書き終えてからの編集作業がテーマとなります。
まず禁句なのは「もったいない」という言葉。
せっかく書いた内容だとしても、「なんか違うな」と感じた場合は削るべきです。
また、よく言われることでもある「一文をなるべく短くする」べき理由についても解説します。
そして、書いた文章を自分で読み返すときに確認すべきなのは、読んで映像が思い浮かぶかどうかです。
それぞれについて詳しく説明していきます。
削るべきところは惜しまず削る
1時間前に書いた文章を読み返す場合、それは1時間前の自分と対話することだと思ってください。
「いまの自分」と「過去の自分」が対話していると考えることで、的確な推敲ができるようになります。
また冒頭でも言ったように、書いた文章を削る際、「もったいない」とは考えないようにしましょう。
「せっかく調べて書いたのだから残しておきたい」という気持ちは、僕にも痛いほどわかります。
でも第一に考えるべきは、読者にとって読みやすく、面白い内容になるかどうかです。
そして、文章を書いていて行き詰まるときは、たいてい「もったいないから残した文」が紛れていたりします。
長い文は切り分けた方がいい
文章を削るのと同時に「切る」ことも考えていきましょう。
少しでも長い文章を見つけたら、さっさと短い文章に切り分けたほうがよいのです。
理由は大きく3つあります。
- リズムをよくする
- 意味を通りやすくする
- 読者の不安をやわらげる
1つ目については理由を説明するまでもなく、短い文のほうがリズムはよくなります。
読点でつなげていくことはできるものの、原則として2つまでとしておくのがよいです。
「が」は便利だけど、なるべく使わない
2つ目の「意味を通りやすくする」にあたって、以下の例文を見比べてください。
「がんばって勉強したのだが、思ったほど得点がとれなかった」
「がんばって勉強したのだが、思ったより高得点がとれた」
両方とも意味は通るものの、「が」の使い方が逆です。
後者のほうは、会話する場面でよく使いがちですが、文章にすると少し違和感が残ります。
いっそのこと文章を分けて「がんばって勉強した。おかげで……」としたほうが意味が通りやすくなります。
長々と続く日本語は読んでいて不安になる
3つ目である「読者の不安をやわらげる」について考えていきます。
英語などでは何かを否定する場合、文章の早い段階で「NOT」といった言葉が入ります。
なので、その一文が長くなっても読者は安心して読めます。
しかし日本語の場合、否定する言葉は文法的に最後に入るので、一文が長くなるほど読者は不安になるです。
「文章を短くしたほうが読みやすい」ということはよく言われます。
逆に文章が長いとどんな不都合が生じるのか、ここでしっかりと理解しておきましょう。
読み返す際は「図解・映像化」が可能かチェック
自分の書いた文章がどれだけ論理的であるか、簡単にチェックする方法を紹介します。
読み返しながら「この文章を図に描き起こせるか?」を考えることです。
もしも支離滅裂な文章だった場合、うまく図にすることができません。
この「図解」という作業は、書く前だけでなく、書いた後でも役に立つのです。
そして、自分の文章を読み返したときに、なにか「映像」が浮かぶどうか確認してみてください。
そうすることで、細部がどれだけ描写できているかをチェックすることができます。
「面倒な細部」の描写によってうまく映像化できれば、無粋な感想などを書く必要がなくなるのです。
【記事20に続く】
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