2001年公開映画『ブラックホーク・ダウン』
まだ観ていない人でも、安心してこの先を読むことができます。
この映画は、現実にあった1993年でのソマリアでの出来事をもとにして作られたものです。
僕は「これを観るべきだ」というよくわからない使命感に駆られ、終始半泣きで最後まで観ていました。
というのも、現代における戦争の様子がかなりリアルに描かれているからです。
観終わった後は、平和を願う気持ちは変わらないものの、実際に戦地に赴く兵士の方々には敬意を示さなければと思うようになるはず。
評価の高い映画ですが、戦闘シーンはとてもリアルに描かれているので、その辺は覚悟した上で観始めたほうがいいでしょう。
以下、序盤のあらすじをざっくりと説明していきます。
ソマリアを平和にするのが目的
「ブラックホーク・ダウン」とは、当時の最新鋭ヘリ「ブラックホーク」が墜落した、という意味です。
アフリカの国ソマリアでは当時、内戦にまきこまれて多くの人々が飢餓に苦しんでいました。
他国ながら放ってはおけないと、アメリカを中心に軍事介入したわけです。
ソマリアの民兵を率いているトップはアイディード将軍という人物で、彼の側近二人を捕らえることが今回の目的でした。
市街地で秘密裏に会議を行なって彼らのところに、レンジャー部隊が突入するという作戦。
首尾よくいけば1時間くらいで終わるはずでした。
仲間を決して見捨てない
しかし市街地には武装した民兵がたくさんいて、反撃は激しいものでした。
そんな中、民兵の放ったRPG(ロケットランチャー)がヘリの一機に命中し、墜落してしまいます。
搭乗者数人の安否は不明でしたが、「仲間は決して見捨てない」というモットーのもと、墜落現場に向かうための人員を割り当てることになりました。
ここで大切なのは、負傷者はもちろんのこと、戦死者においても、仲間を絶対に戦地に残してはいかないということ。
この前提のもと、上官は命令を下し、兵士は行動していくのです。
「もしあのとき……」はナンセンス
映画のなかでも言われていましたが、「たられば」のことを考えてはいけません。
たとえば、もしヘリが撃墜されなかったならば、もしくは墜落したヘリに民兵が群がるのをそのまま放置して撤退すれば……など。
だから自分としては実際の戦地に行くのもいやだし、指示する立場になるのもムリです。
現場と指揮系統の温度差もリアルに描かれていますが、両方の立場を俯瞰してみていると「誰が間違ってるとかではないんだよな」とやるせない感じになります。
終わりに
なんのために戦うのかという問いに対し「仲間のため」と答えるシーンがあります。
これは、ただ話を聞いているだけでは理解できないかもしれません。
だからこそ、このような映画の存在意義があるだと思います。
以上、「戦争なんてなくなればいいのに」と思っている人々に、あえて観てもらいたい映画でした。
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リドリー・スコット監督『ブラックホーク・ダウン』
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